お隣、44日目 ページ44
▽
強くなるんだ。
自分の弱い部分も醜い部分も全部受け入れて、全部認めて、それでも自分を愛すことのできる強くてカッコ良い人に、私はなる。
北さんも、治君も、こんな私を好きだと言ってくれた。
それなのに私自身が自分のことを好きじゃないなんて、失礼だと思うから。二人の好意を無駄になんてしたくない。二人からの好意を自信を持って受け止められるくらい、強くなるんだ。
……バレないようにしているんだろうけど、分かりやすくこちらの様子を気にしている侑君とだって、胸を張って、ちゃんと目を見て、対等に話せるくらいに、強くなる。
「…なあ」
「なあに？」
「すまん」
何故か謝ってきた侑君に、私は思わず笑ってしまう。こんなにしょぼくれた侑君は初めて見た。新鮮だ。
笑われたのが気に食わなかったのか、今度はムッとした顔で私を睨む。しかしすぐににやりとした意地悪い笑みを浮かべたかと思うと、とんでもないことを口にした。
「サムに告られたやろ」
「っえ、！え…へ、あっ、え！？」
「動揺しすぎや」
顔を赤くして戸惑う私を見てケラケラ笑う。
なんで知っているんだ。双子っていうのは記憶まで共有されてるの？頭がぐるぐる回って、眩暈がする。
「フッたんやな、意外やったわ」
他に好きな奴でもおんのか？と続けて聞かれ、私はもっと混乱してしまう。まさか告白されたことだけでなく、断ったことまで知られているとは、どうなってるんだ！
侑くんをギロリとにらむが、やっぱりケラケラ笑われるだけで、ダメージは入らない。
「で、おんの？」
「いないよそんなの…」
「ほんまか〜？」
にやにやと意地悪を言ってくる侑君。好きな人がいないっていうのは本当だし、別に嘘は言ってない。好きな人なんて、きっと生まれてこの方一度もできたことがない。
そういう侑君はどうなのさ、と聞いてみたら、何故か少し戸惑って目をそらした。あっこの反応はいるんだな、と思ったけど何も聞かないでおこう。
侑君に好きな人がいるんだと思うと、少しだけ寂しいような、そんな感じがする。胸がチクリと痛んだのはなんでだろう。
そこまで鈍感じゃない私は、その答えに気づきかけているけれど、気づいていないフリをして「応援するからね」と口走っていた。
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冬田(プロフ) - 結衣さん» こちらこそ温かいコメントありがとうございます(^-^)本当に嬉しい限りです！そちらの曲も聞いてみたいと思います！ (2020年5月27日 13時) (
レス) id: 4ea05f3e1b (このIDを非表示/違反報告)
結衣 - 本当に素敵なお話しをありがとうございます！！OneRepublicのCounting Starsという曲のようで感動しました！聞いてみてほしいです！ (2020年5月26日 12時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬田 | 作成日時：2020年5月15日 20時
