お隣、13日目 ページ13
▽
「……なんやお前ら」
「あっ北さん！宮侑君と…あれ？なんで治君も？」
(ご近所さんって北さんかよおおおおおお！！！)
週末。
教えられた家に地図を頼って行ってみると、そこには私服姿の北さんが立っていた。前世で何人殺したらこんな不運に合うんや。
帰りたい。今すぐにでも帰りたい。
「ほー……まあ勉強熱心なのええことやな、上がれや」
死んでしまいたい。
隣でサムがお経を唱え出した。気持ちは分かるで、サム。久々にお前と共感し合えた気がするわ。
「わあい！私ここ！」
「どこでもええわ」
北さんと水野は普通に会話しとるし。怖くないんか？命知らずか？
サムはしれっと水野の隣確保してるし。いや顔緩みすぎやろ、少しは隠す努力せえや。しかもそれじゃ俺が座んの北さんの隣しか空いてないやん。
仕方なく北さんの隣、サムの前という一番最悪な位置に腰を下ろした。
「で、どこが分からんのや」
「私は数学かな〜〜全部無理だけど！」
「俺は英語……です」
「地理やな〜」
上から、A、俺、サムの順で苦手分野を発表する。北さんが怖すぎてよお分からん敬語を使ってしまった。
「じゃあ、取り合えず各自やって、分からんかったら教えるから」
「はーい！」
北さんのその言葉を合図に、各々が勉強を始める。
俺はとにかく語学系ができないから、英語と現代文を中心に進めることにした。
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「なあA…これが分からんのやけど」
「んー？へへっ！私も分からないぜ！」
勉強を始めて数十分が経過した、ら、サムが水野とイチャつき始めた。
目の前で行われる「じゃあこれは？」「わかんない！」「ここは？」「治君私に聞かない方がいいよ…」なんて阿呆みたいな会話に眩暈がする。
サム、絶対水野と話したいだけやろ。
「なんや、分からんとこあったん？」
「いや、ないです」
「そーか」
嘘つけや。
素直に北さんに教えてもらえ。何逃げとんねん。
逃げた挙句、隣の水野に「なあなあ」と懲りずに話しかけるサム。もうここまでくると尊敬の域だ。
「大丈夫か？手止まっとんぞ」
「ヒイッ！！！…い、いや大丈夫ですスンマセン！！」
「ひい……？」
急に北さんに話しかけられて変な声が出た。
ほんま北さんは自分がどれだけ怖いか自覚したほうがええと思う。
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冬田(プロフ) - 結衣さん» こちらこそ温かいコメントありがとうございます(^-^)本当に嬉しい限りです！そちらの曲も聞いてみたいと思います！ (2020年5月27日 13時) (
レス) id: 4ea05f3e1b (このIDを非表示/違反報告)
結衣 - 本当に素敵なお話しをありがとうございます！！OneRepublicのCounting Starsという曲のようで感動しました！聞いてみてほしいです！ (2020年5月26日 12時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬田 | 作成日時：2020年5月15日 20時
