猫 (ページ8)

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「もう、寝るかな」

寝る前のおやすみLINEをする相手もいなくなって
いつもよりも早く布団に入ると、

チャイムが鳴った

覗き穴から覗いてみれば
小さく丸まった茶髪の男の子が立っていた

「松倉くん、？」

ドアを開ければ昨日と同じ様な服を着た
松倉くんが顔を覗かせた

背中にはギターを背負って、

「松倉くんどうしたの？何か忘れ物でもした？」

倉「んーん何もしてないよ？」

上がっていい？なんて少し笑いながら言うもんだから
どうぞと道を開けた

「今日も泊まるとこないの、？」

倉「いや、？泊まろうと思えば何処でもいいし」

「じゃあなんで」

私の頭は混乱していた

昨日の夜身体を重ねた相手が
今日の朝いなくなったかと思えば
自分の家ですと言わんばかりに平然と
部屋の中にいるんだから、

倉「えだって、俺Aちゃんの首輪ついてるもん」

なんて松倉くんは首元からネックレスを
引っ張り出してひらひらと見せた

「首輪って、」

倉「これがあったから迷わなくてすんだの、ちびとは違って笑」

少し笑いながら話す彼を見て私の心は相変わらず
不信感や違和感でいっぱいだった

でも何だか胸が高鳴るようなそんな気持ちもあった

これが私と彼の出会い

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