猫 (ページ20)

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「なんで来てくれたの」

倉「だから、誕生日。でしょ？」

「私あんなひどいこと言ったのに」

倉「んーん、俺も反省した。ごめん」

「海斗は悪くないよ。私が勝手に言い出したんだもんごめんね」

謝り続ける私にもういいからなんて私の頭を撫でる
海斗はあの日見た猫を撫でてた時と同じくらい優しい表情をしていた。

倉「ケーキ買ってきたよ」

「え、私も買っちゃった笑」

倉「まじか笑」

両方食べよっかなんて
海斗はフォークを取り出してきた。

倉「着替えてきたら？そのかっこ苦しいでしょ」

「あ、うん」

パジャマを持って洗面所に向かおうとすると
後ろから声をかけられる

倉「どこ行くの？」

「洗面所」

倉「ここで着替えればいーじゃん」

「だって、海斗いるもん」

倉「いつも裸見てんのに？」

少し口角を上げながらそんなことを言い出すもんだから思わず顔が熱くなった

倉「何か顔赤くね笑」

「るっさい、海斗のばか」

ドアを開けて洗面所でパジャマに着替える

鏡にうつる自分の口角が緩みきっていて思わず
一人で笑ってしまった。

「ごめん、お待たせ」

倉「おめでと～！」

海斗はどこから取り出したのかわからない
クラッカーを片手にソファに座っていた。

「、ありがとう海斗」

倉「俺らもう24ってやばくない？」

「うわー、言わないで、」

倉「てことで24歳の抱負をどうぞ！」

手をマイクにした海斗が私に聞いてくる

「んー、取り敢えず仕事頑張って、まあ彼氏でもできたら大満足かな」

倉「確かに、こんな素敵な俺らを放っておく世の中ってどうなんだろうなー」

倉「あ、俺らが付き合えば良いのか？」

なんてケーキを口に運んだ海斗

「え、？」

倉「ごめん冗談冗談 (笑)」

「、私は海斗と付き合ってもいいけど」

倉「そんな同情心でするもんじゃないよ恋って」

「同情なんて。そんなんじゃないよ」

倉「俺のこと好きになっても幸せになれないよ」

そんなことを言ってくる彼の目を見たら
これから私が発する言葉は彼の重荷になるだけだと
思いしまいこんだ。