○ ページ9
「おじゃましまーす、
あぁーやべぇ康二くんの匂い。」
『…もうええよそれー…。』
玄関に入った瞬間康二くんのお家の匂いが鼻から入って穏やかな気持ちになる。
黙ってソファーに座る康二くんの隣に座って、その顔を覗き込んだ。
『めめ、俺さっきのこと怒ってんねんからな？』
「さっきって？」
『スタジオで、その…なんか、こしょばいやつしてきたやん！』
「ふーん、こしょばいねぇ…」
自分で言って恥ずかしくなったのか、またりんごみたいに赤くしてさっきより俯くその顔。
怒ったり照れたり、忙しい人だなぁほんとに(笑)
「これのこと？」
肩に手を回して、さっきと同じように耳にそっと息を吹きかける。
『〜〜っ…！！分かってるんやったらっ！』
「でも顔真っ赤にして嬉しそうだったじゃん。」
『お、怒ってたの！』
「へぇー怒ってるようには見えなかったけどなぁ。」
『っもう知らん！！』
今度こそ本当に怒ってしまったみたいで、体ごとそっぽ向いて体育座りになる康二くん。
丸くなったその背中が、ぼそっと小さく呟いた。
『…俺の、匂いばっか好きみたいやん…。』
「…え？」
『俺と同じ匂いの人がおったらどうするんよぉ…』
「…康二くん。」
『もう、めめなんかほんまに知らんもん。』
その小さい体まるごと後ろから抱き締めた。
「ごめん、康二くん。」
びくっと反応する康二くん。それからじわじわとふたりの体温が互いに伝わっていく。
「不安にさせてたんだね、ごめんね。」
『…さっきからずっと匂い匂いしか言わへんもん。
しょっぴーにも変なこと言うてるし…』
自分の匂いのことで不安になるのもおかしいけどね。
とか思うけど真剣に不安そうにしてるその背中を見てそれは言えるわけない。
「ごめん、しょっぴーにはつい自慢したくなっちゃった。
康二くん、こっち向いて。」
『…いやや。』
「康二。」
肩が揺れたのを合図にして、そっと振り向かせた
そこには涙をためて潤んだ瞳をしてる、俺の大切な人。
「…ごめん、泣かせて。」
『うぅ、めめ、好きぃ…』
「うん。俺も好き。」
『…匂いだけちゃう？』
「ふふ、当たり前。康二の全部、大好きだよ。」
振り向いて自然と上目遣いになる姿にクラっとしつつ、
優しい彼の香りに包まれながら、優しいキスを落とした。
Fascinating Smell ... 魅惑的な香り
．
Case2 End .
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ゆきんこ(プロフ) - あきさん» あきさん！コメントありがとうございます！！そう思ってもらえる作品が作れてほんまに嬉しいです( ; _ ; )！！1番嬉しい褒め言葉が聞けて喜んでます！！これからも期待に応えれるように頑張ります！！素敵なコメントありがとうございました！！ (2020年7月13日 0時) (
レス) id: 9366bbf9ec (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 今回も素敵な作品ありがとうございましあ(;o;)何度も読み返してしまうくらい作者様の作品がだいすきです！これからも楽しみにしております(^-^) (2020年7月12日 17時) (レス) id: 1c418bb080 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ゆきちゃんさん» いつもありがとうございます(*^_^*)リンクできててましたかね…！私的に凄いパワーワードやなって思ったので書いちゃいました（；＿；）ほんとに幸あれですね（ ; ; ）平和に幸せになってほしい。（ ; ; ） (2020年6月25日 1時) (レス) id: 9366bbf9ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆきちゃん(プロフ) - 実際のライブとリンクしながら読みました…泣きそうううう。こーじに幸あれと願いますほんと…！ (2020年6月22日 12時) (レス) id: 2e7657af2c (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ゆきちゃんさん» いつもありがとうございます(*´∀｀)こっそり始めてました（笑）更新頑張ります！ありがとうございます！ (2020年5月30日 16時) (レス) id: a4db884c5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪 .
| 作成日時：2020年5月15日 23時
