あなたが、【煉獄杏寿郎】

あなたと同業者 ページ8

杏寿郎くんを見送ったあとは
自分の身だしなみを整える。


寝巻きを脱ぎ、雑にまとめてある髪をとき
きちんとした服装に、髪型に仕上げる。


仕事中は化粧をしないため、準備完了だ。


店の方に向かい、看板をたてる。


いつも安定しない開店時間だが、
ある程度、お客さんは来てくれるのでありがたい。

。

。



時は過ぎ、もう夕暮れ。


街の通りがだいぶ落ち着いてきた。

お仕事帰りの方や夜に仕事をする方が
行き交い始める。

今日も一日綺麗とか可愛いとか話しかけられていた
お花は、嬉しそうだ。


私はしゃがんで売れ残ったお花の手入れをする。
帰りに花を買っていかれる方もいるからだ。


「なんかすげード派手な店だな」


近くで男性の声がしてと顔を上げる。

すると2mはあるんじゃないかと思わせるぐらい
大きな、そしてかっこいい男性が店の花を見ていた。



「こんな所に花屋があったとはなぁ....。
あ、 お前がここの店主か？」

『え、あ、まあ....』



立ち上がり、顔を見る。
やはり身長が高く、立ち上がっても意味が無いくらいだ。

ふぅん...、と言って目線を合わせるように
少し屈むと私の顔をジロジロ見る。

顔が整いすぎていて、すこし、
いやだいぶ動揺してしまう。



『ど、どうされましたか？』

「いや、同業者が言ってた女に
特徴が似てると思ってな。気にすんな。」

『はあ......』



白銀の髪に赤く、少しつり上がった目が細くなる。

見れば見るほど彼は美形だった。

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