これが（す）です。 (ページ4)

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ru×ab ページ4

: 君とはとても話が合うから

(ru)

阿部ちゃんは頭が良い。

授業の話をすると

〝うわー懐かしいなー〟とか言ってくれて話を合わせてくれる

他のメンバーはたまに反応してくれるけど、
宿題を聞いたりするのはやっぱり阿部ちゃんで

『あっ、今これやってるんだね』

「うん！でもここだけ分かんなくて止まっちゃってた」

賑やかな楽屋で数学の宿題を広げていると、
阿部ちゃんは話しかけてくれた

きっと阿部ちゃんも楽しいんだろうな、なんで勝手に考えちゃったり

『ここはねえ、これとこれを式にするの』

「うお！ほんとだ！」

『ふふ、良かったあ。ラウも理系だから嬉しいな～』

「僕も嬉しい！みんな分かんないところ聞けるし」

そう言うとにっこり微笑んだ彼

「あ、ここも教えて欲しいな」

阿部ちゃんが離れて欲しくなくて
本当は分かるのに分からないフリ

『ここはね～…』

優しくて可愛い阿部ちゃんが、

いつの間にかスキになっていて

『おーい、聞いてる？』

「あっ、ごめん！阿部ちゃん可愛くて見惚れてた！」

『あ…なに…言ってんの』

見惚れてたのは事実だし、

そこの問題本当は分かってるよ

僕の言葉を聞いて彼はどうしてそんなに耳が赤いのか

その理由はまだ良いや

「こうだよね？」

『あ、うん、そうそう！』

数学は数式があるから解けるけど、

この気持ちは中々難しいよね

『ラウ、ラムネあげる』

小さなラムネの袋からコロンと一粒取り出して

僕の口の前に持ってくる阿部ちゃん

「わーい！ありがとう、あーん」

自分の手で取るよりも、阿部ちゃんから欲しい

だから口を広げて待ってみると一瞬戸惑った顔をしたけどそのままラムネを放り込んできた

「んー、糖分ありがたい」

『んふふ、分かるその気持ち』

お互いに見合わせて〝ふふふ〟と微笑み合う

多分今の空気は、他のメンバー誰にも入れないはず

それで良い、今の時間くらい僕のものだよ

『あ、ねえラウ、今度謎解き行かない？』

「ああ！なんか今流行ってますよね、行きたい」

『良かったあ、じゃあまた日程決めようね』

「うん！やったあ」

ちょっと照れた顔をしてる阿部ちゃんは
とてつもなく可愛い

『ラウとは凄い話が合うから嬉しい』

「可愛い、阿部ちゃん」

『こら、年上馬鹿にしないの』

「してないし～」

デートに誘われるなんて想像してなかったけど、

多分阿部ちゃんとは…

(両思い。かな)