ずっと、もっと。 (ページ8)

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『Aさん帰れそうですか？』

肩を抱かれ元太くんの声が聞こえる

『んー多分！電車まだあるでしょ、』

『あるけどこんなんじゃ乗れないでしょ、
……俺んち、来ますか？』

耳元で響く低い声にビクッと身を捩る

『そーやって声かけてるんだ、いつも』

『…何の話ですか？』

目が笑ってない笑顔で元太くんが顔を覗き込む

『割とお持ち帰り、してるんでしょ噂で聞いた』

『…それを知った上で、
今こうされてるAさんかなり滑稽ですけど』

＂滑稽＂、まさに私にぴったりな言葉だなと
自嘲気味に笑いながら元太くんの首筋に顔を埋める

『滑稽で可哀想な女とはそういう気にならない？』

『…まさか、てかむしろ前からめっちゃタイプ』

元太くんの家に着いたのか、
ドアが閉じる音と同時に荒々しく重なる唇

高校の時から好きだった人は
別の人の大切な人になったし、

飲みすぎて割と遊んでる後輩にまんまと捕まったし

もうどうにでもなってしまえと

優しく押し倒された背中に腕を回した