ずっと、もっと。 (ページ44)

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「つかれたな～」

バイトが終わり裏口から出て歩き出す

夏が終わり本格的に秋風が吹き始めていて
思わず肩をすくませながら足を進めていた

信号待ちで何気なくスマホを開く

「…え、」

ロック画面にはうみからの不在着信が一件。

かけ直そうと画面を開くも、ふと思い返す

…なぜか避けられているのに、
向こうから電話がかかだてくるわけないじゃないか

現に、2時間前に1度かけてきたきりだし
何かメッセージがきているかというとそうではない

「間違えただけか」

別れてもなお、
余計な期待するようなことやめてくれと思ったけれど

なんとなく、ここでかけ直さなかったら
一生、話せない気がして。

1回だけ、

1回だけかけて出なかったらもうやめよう

何もかも、好きな気持ちも全部諦めよう

意を決して通話ボタンをタップする指先は

ほんの少しだけ震えていた