ずっと、もっと。 (ページ30)

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「Aさん、めっちゃ声抑えるじゃん(笑)」

「…うち、壁薄いの！恥ずかしいじゃん」

ずっと手で口を押さえていたからか
少し酸欠気味になり息を整えながら話す

「ちょっと煽られた～～うちでもそれやって」

「馬鹿じゃないの(笑)」

＂そういうオトモダチ＂って、友達の話を聞いてると

もっと淡白なイメージがあったけど

元太くんの人柄が、いつも笑ってる気がするなと
思いながら布団に潜り込む

頭上に置いてあるスマホが震え手に取り
画面を見て戻そうとすると元太くんが頬杖をつく

「…出ていいですよ」

「いや、でも」

「俺、部屋出た方がいい？」

「いや、寒いし元太くんがいいならここにいて」

結局そのまま電話に出る

「もしもし？どうした…うみ」

「もしもしA？いま大丈夫？」

「…うん、大丈夫だよ」

ちらりと元太くんの方を見ると
背中を向けてスマホを触っていた

「よかった。…俺、さ」

「うん」

「怜奈さんと別れた」