夢心地ってあほらし (ページ24)

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北斗は一目散にベッドに飛び込み、無言で俺を手招きした。

一緒に寝たかっただけなのかなと少しの笑みが溢れる。

「じゅり、」
「ん？」

やっと喋ったかと思えばか細い声で俺の名前を呼んだ。

「人にはさ闇の部分があるでしょ。他の人には見せない闇が。」
「うん」
「俺なんかさ闇だらけだよ。心の中お腹の中も身体中が真っ黒黒すけみたいな」

真っ白い天井を見つめながら自嘲的に笑う北斗。

「助けて。って言いたいのに言えなくて。どうしたらいいかわからなくて。1人で悩んで足掻いて、相談できる人も居なくて。
あー俺人間やってるななんて、思っちゃったりして。」

何も言わずに北斗の横顔を見つめあー綺麗だななんて見惚れてる俺は、本当にこの人に手を差し伸べることができるのだろうか？

「樹、助けて。」

頬に涙を流してこちらを向く北斗と目が合う。

造形美のようなその美しさに息を呑む。

溢れ出るその涙は俺にも移りその美しさに涙する。

はっと我に返る。そっか北斗は助けを求めているんだ。

数秒見つめ合いながら涙を流していた俺は北斗の頭に手を伸ばした。

優しく頭を撫でてやると安心したのか穏やかな笑みが返ってくる。

「じゅり、なんで泣いてるの？」

鼻を啜りながらかわいい声で聞かれる。

「北斗が泣いてるから。いや、北斗が綺麗だからかな。」

何それ。なんて笑われたけど本当のことだからしょうがない。

北斗が笑ってくれるだけで俺は幸せなのだから。