夢心地ってあほらし (ページ19)

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人生って孤独だねページ19

俺等6人は小さい頃から何不自由無く過ごしてきた。

お父さんは大手企業の社長さんでお母さんはその秘書で。

今住んでる家だって俺等が中学入学とともに親が購入してくれた。
今は海外に居て一緒に住んでないけど、学校から近いからって理由で入学祝いとして買ってくれたのは今考えても衝撃の出来事だった。

中学も私立の中高一貫でこっちが心配になるくらい俺たちにお金を使ってくれている。

小学6年生まで住んでいた家に行けば執事さんが招き入れてくれて、まるでおとぎ話にでも迷い込んだかのような生活。

一般的にお坊ちゃまとか御曹司とかそういう類にあたるのは重々承知で。でもやっぱり周りから注目なんか浴びたくなくて。学校でもひっそりと過ごしている。

幼少期の頃やりたいことは全部やらせてくれた。
習い事だって続くはずないのに「やりたい。」といば快く一言返事。「辞めたい。」といえば引き止めはしない。

今思えばお金に余裕があったから。そんな馬鹿馬鹿しい答えしか見つけることができない。

6人の子どもを育て執事や家政婦メイドさん、私立の中高一貫で6LDKの戸建。

どれだけお金があるのか。計り知れないその額はきっと理解に苦しむことになるだろう。

ずっとこの6人でいたいのにきっといつか世間に顔向けするときはバラバラになっちゃうのかな。とか思いたくないことを夜な夜な考えて泣いちゃってたり、みんなもそう思ってくれてたら嬉しいななんて思っちゃったり。らしくないことをふとした瞬間考えちゃう俺は相当あの5人に依存している。

お金持ちの家に生まれたからって苦しむことや悩み事は他の人間と一緒で沢山あるわけで。

お坊ちゃまじゃなくてひとりの人間として俺らのこと遠くから見守っていて欲しいな。最大の我儘だけど。