夢心地ってあほらし (ページ15)

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、ページ15

そいつの手を退かし何事も無かったかのように本を読み始める。

「少しくらい乗ってくれたっていいじゃん。」
「何しに来たの？部活でしょ？」
「今日部活は休み。北斗に会いたくて来た。」

彼女面すんなよ。気持ちわりぃな。
なんて言わないけど、此奴といるとなんか落ち着く。

「俺下校時間まで帰んないよ。」
「えー、放課後デートしようよ。せっかく部活ないのに。」
「俺はお前の彼氏か。」

言っちゃった。言わないようにしてたのに。

「北斗が彼氏なら本望。みんなに自慢できる。」
「自慢しなくていいわ。てか、俺はお前の弟な。」
「北斗くん、今日親居ないから、家、来る？」
「誘うな。誘うな。気持ちわりぃな。」

始まった。樹の何処か気持ち悪い女の演技。

もう今日はお開き。
席を立とうとしたら視界が揺らぐ。

その瞬間誰かに支えられる。

「危ねぇな。急に立つなよ。」
「ごめん。貧血気味なこと忘れてた。」

女樹から男樹になった兄にキュンときてしまったのは、誰にも言えない俺だけの秘密。