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横山「あ、コイツ村上。俺はヒナって呼んでるんやけど」
『村上、さん…漫画の人?』
村上「漫画?何やねん、それ」
横山「あー…大倉にヒナが借した漫画返ってこおへんって話したから。まぁ、逃げたけど」
村上「せやった!くっそ、あいつ…」
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悔しそうにぎりぎりと唇を噛む村上さん。
すると、今度は私に視線を向けた。
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村上「せや、君の名前なんなん?」
『あっ、橋本です!橋本A』
村上「おー、宜しゅうな、A!」
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おぉ、いきなり名前呼び…まぁ、いっか
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横山「…」
村上「せやった、俺ら帰るんやった」
『あっ、足止めしてすみません!じゃあ、私はここで「ちょ、橋本さんも良かったら…一緒に帰らへん?」
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先輩方の足を止めてしまい、慌ててその場を離れようとしたら
私の声に横山先輩の声が被さった。
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横山「…同じ電車、やろ?せやったら、途中まで…」
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あぁ。
横山先輩、気付いてたんだ。
何かもう、それだけで泣きそうなくらい嬉しい。
寒さのせいなのか、赤くなった頬を人差し指で掻き 口元をもこもこのマフラーに埋める横山先輩に、一度だけ頷いて見せた。
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村上「へぇ、ヨコとAって毎朝電車が同じなんや」
横山「まぁ、話すのは今日が初めてやけど」
村上「お前が女子に話しかけるっちゅう事は、ネッシーが発見された事くらい大事やもんな」
横山「お前なぁ…そこまで言わんでええやろ」
『あはは…』
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徒歩通学の村上さんが駅まで見送るって言ってくれて、3人で肩を並べて帰っている。のだが…
村上先輩と横山先輩の間って⁉
え、なに。発作が出そうなんだけど。
緊張し過ぎて、笑顔もやや引きつっちゃってんだけど。
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作者名:ちゃこ。 | 作成日時:2020年1月5日 2時