たくさんの愛に包まれて ２

＊ 番外編 (2-2) ページ48

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『あれ……』





ヒサの様子がおかしいのは

何となくわかっていたつもり





『…』





ナイターなはずなのに、

すでにヒサはもう出かけていた



ここ数日、ずっとそう。



特に調子が悪いわけではない、

むしろまだいい方だと思うのに





『…、』





最近夜も一緒に帰ってこない

みんなとご飯食べてくるって



あたし、何かしたかな？なんて思うけど

でも球場では普通に接している





『……あ、準備しなきゃ』





とにかく今日も試合はある、

ドームに行かなきゃいけない





『亀井さんと勇人に相談しようかな…、』





うん、

そうだ



何か知っているかもしれない





「は？」

『最近、そういうのが続いてて…』





球場に着くとタイミングよく亀井さんも到着だった

今日は亀井さんも早いんですね





「喧嘩とかはしてへんの？」

『全く…身に覚えがないというか…』

「…あんな？A、」

『…はい、』

「朝起きたら居ない、言うけど…長野昨日はいつも通りの時間やったで？」

『…え、』

「浮気、しとるんちゃうの？」

『……っ！』

「…いや、ごめん、勝手な想像やけど……ほんまごめん、言ったらあかんこと言ったな」

『っ…それ、は』

「ごめん…A、泣かんで」

『す、すみません…泣きたいわけじゃないのに…っ』





だから、

帰ってこないのもそれでつじつまが合う





「亀井さん…？」

「勇人」

「どうしたんすか…A…泣いてる、？」

『っ泣いてないよ、』

「…けど、」

『大丈夫だから、』





へへ、と笑って見せると

勇人はそれ以上何も聞いてこなかった



ねえ勇人

その顔は何か知ってるの？





「A、今日の夜は空けとき、どっか行こう」

『え、あ、はいっ』

「勇人も来たきゃ来ればええし、」

「あ、はい」

『じゃあ…亀井さんに甘えます、』

「おん、任せとき」





亀井さんのあの笑顔って

ほんと安心するなあ、



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