昔の話、 ページ16
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「…、」
「付き合ったのは、1年半くらい前で…俺がまだ、ルーキーの時」
勇人がゆっくり話を始めた。
っていうことは、Aが忘れられないと言っている前の彼氏は勇人のことか。
「……別れを切り出したのは、俺からです」
「、なんで?」
「…他に、好きな人が出来たから」
「…」
「なるべく優しく、別れたつもり…Aも、泣いてへんかったし…わかった、としか言わなかった」
「…」
泣かなかった?そんなわけない。
まだ忘れてないくらい好きなのに、泣かなかったわけがない。
「…俺、行ってくる」
「行くってどこに、!」
「A、追いかけてくる」
「でもさっきAちゃん1人になりたいって」
「そういうことなら、尚更1人にできないんで」
「っ長さん!」
「あ、亀井さんごちそうさまです」
「は、」
「じゃ!」
「……ちゃっかりしてんなーまあええけどそのつもりやったし」
急いで上着を持って携帯をポケットにしまった。
引っ越ししてもAの家なんてもう何度も送ったから覚えてる。まだ近くにいますように。
「勇人、あー言うのに女の子は惚れるんやで」
「…」
「お前も見習わなな、」
「亀さん…俺、っ」
2人の会話は
確かあのあと亀井さんから聞いた気がする。
「っどこだよ、」
お店を出てから数分、Aは簡単には見つからなかった。
家に帰るならこの道を通るはずなのに。
「、くそ」
電話したって出るわけない。そう思いながら当たりを見渡すと、近くの公園のブランコに座る1人の人影が見えた。
そこを目掛けてゆっくり走った。
「…いた、」
『っ!』
「ばか、危ないよ」
『…っなんで、』
「1人なりたいって言われても、やっぱり心配だから」
『っ…』
「ね、お願い…なんかあったら俺…」
『…長野さん…、』
ごめんなさい、と心配そうに俺を見上げたAが俺の手を握る。少し冷たくなった手を握り返した。
「帰ろ、送るから」
『…はい』
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いちか(プロフ) - えりなさん» ありがとうございます!たくさん更新できるように頑張ります! (2017年7月11日 2時) (レス) id: d72f7e0d49 (このIDを非表示/違反報告)
えりな(プロフ) - 凄く面白いです、更新楽しみにしてます^^ (2017年7月8日 4時) (レス) id: f19ee91e09 (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - はるさん» ありがとうございます!頑張ります (2017年6月16日 23時) (レス) id: d72f7e0d49 (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - 白湯さん» ありがとうございます!頑張ります (2017年6月16日 23時) (レス) id: d72f7e0d49 (このIDを非表示/違反報告)
はる - 早く続きみたいです。 楽しみにしてます (2017年6月16日 13時) (レス) id: 7a0bcc6524 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちか | 作成日時:2017年5月15日 22時