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「…A、」
正直、あの事故のニュースを見たときは他人事だった。まさか、こんな身近な人が巻き込まれて、しかも一番重症だなんて。
「っ、」
泣きそうなのをこらえて、近くの椅子に座った。そっとAの手を取り、ぎゅっと握る。
「早く目覚まして…」
俺の気持ちなんて、一生届かなくていい。遥輝のこと、好きなままでいいから。だからお願い、早く目を覚まして。
「…A、?」
ぴくり、とAの手が動いた気がした。そっとAの名前を呼びながら近づくと、そっと目が開く。
「A、!」
『…たくや、さん、?』
「良かった…っA、!」
ナースコールを押し、そっとAの頰を撫でた。良かった、目を覚ました。
『…あたし、っ』
「喋らんでええから、今遥輝探してくる、」
ぽんぽん、とAの頭を撫でて、病室を出ようとすると、トイレから帰ってきた遥輝。俺の慌てた様子を見て、きっと直ぐ察した。
「Aっ、!」
すぐにAに駆け寄って、Aの左手を取った遥輝の目には涙が溜まっていて。ああ、これで2人は結ばれる。
そう思ったのに、
『…だ、れ…ですか、?』
「………え?」
神様は、またも2人に試練を与える。
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いちか(プロフ) - 菜々さん» ありがとうございます★楽しんで頂けて嬉しいです◯Twitterも是非よろしくお願いします★休みながら頑張りますね! (2019年8月25日 0時) (レス) id: 659890526f (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - 花音さん» ありがとうございます★とってもとっても嬉しいお言葉ありがとうございます!!もう少しだけこの作品も続きますので引き続きよろしくお願いします★ (2019年8月25日 0時) (レス) id: 659890526f (このIDを非表示/違反報告)
菜々 - 毎回楽しく読んでました。とっても素敵なお話しでした。次のお話しを読む事ができるのを楽しみにしてます。Twitterもフォローさせて頂きます。ちょっとはゆっくり休んでくださいね (2019年8月24日 20時) (レス) id: f90c817e3e (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - いちかさん、本編終了おめでとうございます(^^)最後まで素敵なお話でした。本当にいちかさんのお話大好きです!番外編やまた次のお話、とっても楽しみにしています。また素敵なお話を読めるなんて嬉しいです☆これからも頑張ってください。応援しています。 (2019年8月24日 8時) (レス) id: a0401679ea (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - はるちゅんさん» ありがとうございます◯更新頑張ります!またよろしくお願いします★ (2019年7月30日 20時) (レス) id: d72f7e0d49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちか | 作成日時:2019年7月15日 13時