薬指の秘め事 (２)

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「どれがええかなあ、」





今日の試合は快勝だった。テレビで見ていただけだけど、今日のハルくんは３安打猛打賞。ヒーローにもなった。





『どれも素敵で悩むね、』

「そうやなー…Aはどれがええ？」

『あたしは、これがシンプルで好き』

「もう少し高いやつにしようや、」

『や、だって…』

「俺はこっちがええな、」

『ちょ、これは…』

「何で？ええやん、嫌なん？」

『いや素敵だけど…』値段…

「よし決めた、すいませんこれにします」

「かしこまりました、」





綺麗な店員さんがにこりと笑って、こちらへどうぞと案内をしてくれたのでその通りに案内された席に座る。





「お二人のお名前や日付を刻印できますがどうなさいますか？」

「どうする？」

『や、ハルくんにお任せします』

「じゃあイニシャルと…入籍した日にしとく？」

『うん、いいよ、』

「それではこちらにご記入お願いします、」

「はーい、」





ニコニコしながら書類にサインをするハルくんは何だか可愛かった。子どもが七夕で短冊にお願いごとを書いているような、そんな顔。





「それでは、準備が出来次第ご連絡差し上げますので、」

「よろしくお願いします」

『お願いします』



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