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「その言葉に、嘘はなさそうやな」

「え?」

「…ったく、世話の焼ける」

「…え?」

「俺が好きなんはほんと、でも、遥輝の気持ちが本当なら、俺はその気持ちを応援したい」

「…卓さん…」





ああ、ほんまにいい先輩。たまにバカにすること許してください。それは好きな証拠です。卓さんが先輩でよかった。





「札幌戻ったら、ちゃんと話せよ」

「はい、話します」

「ちゃんと、気持ち伝えて」

「…俺、大丈夫かな、」

「大丈夫、自信持って、」





俺の背中をポン、と叩き、笑っていた卓さんはテレビを入れた。この時間的にきっと、ニュースしかやってないだろうな。





「うわ、事故だって、さっきやん」

「え?」





[……へ向かっていた高速バスが分離帯を破り、対向車と衝突する事故がありました。]





「新千歳空港から札幌向かってバスやって、」

「えー…」





そういえばA、もう札幌着いたかな。そろそろ家に着いてるかも。でも連絡来てなかったな。





「Aは?今日帰るんやった?」

「あ、はい、試合終わってからすぐ」

「もう家着いた?」

「いや、連絡は来てないっす」

「そっか…」

「…連絡、してみたほうがいいすかね…」





そんなんあり得ないって心の中では思ってて。でもそのもっと奥では、もしも、と思ったら止まらなくて。





−おかけになった電話は、現在電源が入っていないか……−





「…」

「出ないん、?」

「…電源、入っとらん、」

「……」

「もしかして、電源入れるの忘れてるかも、Aたまにあるからなー」

「…そ、…ならいいけど」

「きっとそうっすよ、」





[運転手の……さんが重症。高速バスの乗客10人が搬送され、内、1人が意識不明の重体です]





どくん、と脈打ったのがわかった。はは、と笑ってはみたが、嫌な予感が頭をよぎった。



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いちか(プロフ) - 菜々さん» ありがとうございます★楽しんで頂けて嬉しいです◯Twitterも是非よろしくお願いします★休みながら頑張りますね! (2019年8月25日 0時) (レス) id: 659890526f (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - 花音さん» ありがとうございます★とってもとっても嬉しいお言葉ありがとうございます!!もう少しだけこの作品も続きますので引き続きよろしくお願いします★ (2019年8月25日 0時) (レス) id: 659890526f (このIDを非表示/違反報告)
菜々 - 毎回楽しく読んでました。とっても素敵なお話しでした。次のお話しを読む事ができるのを楽しみにしてます。Twitterもフォローさせて頂きます。ちょっとはゆっくり休んでくださいね (2019年8月24日 20時) (レス) id: f90c817e3e (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - いちかさん、本編終了おめでとうございます(^^)最後まで素敵なお話でした。本当にいちかさんのお話大好きです!番外編やまた次のお話、とっても楽しみにしています。また素敵なお話を読めるなんて嬉しいです☆これからも頑張ってください。応援しています。 (2019年8月24日 8時) (レス) id: a0401679ea (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - はるちゅんさん» ありがとうございます◯更新頑張ります!またよろしくお願いします★ (2019年7月30日 20時) (レス) id: d72f7e0d49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちか | 作成日時:2019年7月15日 13時

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