まことの恋

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ｰ慎side

俺は頬を伝う涙を拭いもせずに続けた。



A「慎くん、」

慎「俺のこと見てよ！
だって年なんかどうにもできないじゃん！
努力でどうにかなることじゃないじゃん！
たった8年だよ？
なんで俺の方が8年遅く生まれたってだけで弾かれなきゃなんないんだよ！
俺だってもうガキじゃないんだよ！
もう20歳過ぎた、それなりに収入だってある！
あのときは無理だったけど、今ならAさんのこと幸せにする自信だってある！」



なんで伝わらない。

なんで分かってくれない！



慎「俺のこといつまでも小学生だと思わないでよ、俺だって…！」

A「…。」



Aさんの顔が泣く寸前のように歪んだ。

…違う。

違うのに。

俺は、貴女にそんな顔をして欲しいんじゃないのに。



慎「…ごめん、今日は帰って。」



俺はなんとか声を絞り出した。

Aさんが無言でバッグを掴んで出て行く。

玄関の開閉音がして、俺は1人きりになった。

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