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ーAside

A「…。」

慎「…。」



秋夜が店を出て行ってから、私と慎くんの間には沈黙が漂っていた。

しばらくして慎くんが口を開く。



慎「…なんで、LINEの返事くれないんですか。」

A「…。」

慎「…Aさん。」

A「…返事する必要、ある?」

慎「は?」

A「あの日のことだって、酔っ払ってたしそういう勢いで…。」

慎「Aさん!」



慎くんの鋭い声に口を噤む。



A「…何?」

慎「ねぇ、俺言いましたよね?
Aさんのこと好きだって。」

A「…。」

慎「信じられません?」



慎くんは私の横に移動すると、私の手を取った。

ちゅ、と軽い音を立てて甲にキスをされる。



慎「…ねぇ、Aさん。
好きです。
本当に貴女のことが好きです。」



慎くんの綺麗な顔が近付いてくる。

私は彼の胸を押し返した。



慎「…何。」

A「…遊びでしょ?」

慎「は?」

A「遊びなら、やめて。
だって慎くん、」

慎「年下って言うならやめてください。
…そんなの、俺いつまで経っても追い付けないじゃないですか…!」

A「…っ。」

慎「Aさん、なんで?
俺のこと嫌い?」

A「…嫌い、じゃない。」

慎「じゃあ、好き?」

A「…その聞き方はずるいよ。」

慎「知ってますよ、そんなこと。
ずるいの、知ってますよ。
だってAさん、こうでもしなきゃちゃんと俺と向き合ってくれないじゃないですか!」

A「…だって、私慎くんのことそんな目で見たことない…。」

慎「それも分かってます。
…俺、望み無いですか?
俺のこと、好きになれない?」

A「…。」



じっと見つめられて、私は俯いた。



慎「Aさん、答えて。
…もし望みが無いなら、諦めるから。」

A「望みは…。」



無い、って答えるの。

それが私にとっても彼にとっても一番いい選択なんだから。

そう分かっていても、私は言うことが出来なかった。



慎「…ある、って受け取ってもいいの?」

A「…。」



…分からない。

俯くと、慎くんの手が私の顔を上げさせた。



慎「じゃあさ、1ヶ月、ちょうだい。」

A「え?」

慎「明日から1ヶ月、俺とご飯食べたりデートしよ。
もしそれでAさんが俺のこと好きにならなかったら諦める。」

A「…。」

慎「…ダメ、ですか?」

A「…分かった。」

慎「ありがと。」



慎くんは小さく笑って私の頬に唇を落とした。

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設定タグ:長谷川慎 , THERAMPAGE , 川村壱馬   
作品ジャンル:恋愛
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Nayuu(プロフ) - おおおおお (2020年10月8日 2時) (レス) id: 261f0e1c06 (このIDを非表示/違反報告)
直実(プロフ) - Nayuuさん» あっ、そういうことですか。この後慎くん頑張りますよー(ネタバレすんな) (2020年10月2日 9時) (レス) id: d65686c528 (このIDを非表示/違反報告)
Nayuu(プロフ) - えっとね、慎くんはどうするんだろうって 本当は違うこと書こうとしてたのに忘れた (2020年10月2日 3時) (レス) id: 261f0e1c06 (このIDを非表示/違反報告)
直実(プロフ) - Nayuuさん» 何がですか? (2020年10月1日 17時) (レス) id: d65686c528 (このIDを非表示/違反報告)
Nayuu(プロフ) - どうしよう (2020年10月1日 10時) (レス) id: 261f0e1c06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:直実 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/naomi_shogkazu  
作成日時:2020年1月17日 18時

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