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裏口から外に出ると、長尾くんが笑顔で「Aさーんっ」と言いながら近寄ってきた。
『嘘、ついちゃった……』
早織さんを騙したことへの罪悪感が増す。
謙「でも、心は元気やなかったやろ？」
長尾くん、鋭い…
前から思っていたけど、彼は人の些細な変化に気づいてくれる。
周りをよく見ていて、思いやれる人だ。
わたしは、静かにこくんと頷いた。
謙「あーっ！！ていうかもう時間がないわ！」
『時間？さっきも気にしてたけど、なんの時間？』
謙「夕焼け！前に言うてたん覚えてる？」
夕焼け…
そういや、いつか長尾くんが綺麗な夕日の写真を見せてくれて。
夕焼けハンターをしているって教えてくれたっけ。
『わたし、まだ夕焼けハントしに行けてないな…』
謙「うん、せやから今から夕焼けハンターになろっ」
『今から！？』
謙「ほら、ついてきてっ！」
長尾くんに腕をぐいっと引っ張られてドキっとする。
西日に照らされたキラキラの笑顔を見て、鼓動が早くなるのを感じた。
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作者名：雪 | 作成日時：2022年11月24日 4時
