もし君と、違う形で出逢っていたら 3

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Aちゃんに話を聞いた日から数日

土日も挟んだから結構久し振りに会った岸くんは

風邪も熱も治ったって言ってたのにAちゃんと

同じような顔して苦しそうにしていた。


そんな岸くんを気にしながら迎えた昼食の時間。

別のクラスの友達に用があった帰りに見掛けた

教室の前の廊下に居た岸くんは悲愴感を漂わせていた。

そんな彼が見ていた光景はひとつ。

昼食を紫耀とふたりでとっているAちゃんだろう。



「岸くん」



って僕はたまらず声をかけた。

だって岸くんがあまりにも弱々しく見えたから



「‥あぁ。いわげんか」

「もうAちゃんに話し掛けないの？」

「‥‥‥まあ」

「幼馴染み辞めるって言われたら話せないのかな」



なんで知ってんの、って顔で僕を見てきたけど

Aちゃんが話したことはすぐ分かったみたい。



「俺といるより楽しそうだし、諦めることは出来ないけど今はこれでいいんだよ」

「楽しそう？岸くんはずっとAちゃんの隣であんな笑顔を見てたの？‥そんなこと言ってたらすぐ取られちゃうよ」

「分かってる」

「全然分かってないでしょ。Aちゃん言ってたよ、紫耀に告白されたって。いいの？」



ここまで言うつもりはなかった。

僕は紫耀の味方も岸くんの味方もしないつもりだったのにな。

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