もし君と、違う形で出逢っていたら 3

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「もう、なに？」



学校が始まった次の日、今日はなんだか

隣からの視線が痛くて最初は無視してたけど朝の

ホームルームでため息混じりに聞いてみた。



「んーん、なーんも」

「なんもって言うならこっち見ないでよ」

「え、無理無理。こんな近くで好きな人の顔見れるのに見ないなんて勿体なくね？」

「知らないけど、気が散るのっ！」



なんて喧嘩にも似た会話が続く中、

担任の先生が最後の最後ににやにやしながら



「今日、5時間目に席替えするか」



なんて言って嬉しいだろ？とでも言いたげな顔をした。



「え！先生ガチっすか？」

「ガチだガチ、なんだ岸は嬉しくないのか？」



席替えを喜ぶクラスメイト達の視線が一気に優太へと注がれる。



「嬉しくないっすよ！せっかく彼女と‥」



優太が最後まで言い切る前にチャイムが鳴った。



「まあどの道席替えするからなー」

「え、あ！ちょ！先生！」



一番後ろの自分の席から目一杯腕を伸ばして

教卓にいた先生を捕まえようとしている優太は

先生が教室から出るとその形のままガタンと机に倒れ込んだ。



「馬鹿だねぇ(笑)」

「いわげんうるせーよ‥」

「はいはい」



優太の様子に玄樹くんと笑い合ったあと

わたしは次の授業の荷物を廊下にあるロッカーに取りに行った。

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