もし君と、違う形で出逢っていたら 3

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「優太、お風呂空いたよ」

「あいよー」



真冬でも髪を乾かすのは面倒臭くて

生乾きの髪にタオルを被せて自分の部屋に行くと

読んでいた漫画をパタンと閉じた優太は

わたしを見て何も言わず洗面台まで引き戻した。



「風邪引いたらどうすんだよ」

「優太に桃のゼリー買ってきてもらう」

「それは買うけど、風邪引いたらなかなか会えなくなるぞ」



なんて言いながら鏡の前でせっせと髪を乾かしてくれた。

時折優太の指が耳に当たって擽ったい。



「やッ‥もう、擽ったい。あッ‥またもう‥」

「ちょぉ、その声やめろ！色々やばいって！」

「じゃあ気を付けてよー」



どうしよう、どんな会話も全部が楽しくて

怒られても拗ねられても口元が緩んでしまう。



「あーさっぱりしたー」

「お帰り〜」

「さ！漫画の続き続き！」



お風呂から戻ってきた優太はベッドの上に直行して

座りながらさっきの漫画を読み始めた。

泊まるとか喜ばせといて結局それ？って少し寂しくて



「わたしも見たい」



とか漫画には興味ないけど優太の隣に座った。

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