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『っルフィ、』
「度胸だけじゃねェ〜、麦わらのルフィ…“力”がねェのなら…救えねぇもんは頑張ったって救えねぇよォ…」
そして次の瞬間には蹴り飛ばされた彼の体。
私は奥歯を噛み締め、追撃をしようとする大男__黄猿へと立ち向かう。
光となって移動しようとする黄猿を薙刀を振りかぶって叩き切る。
分断された光の粒子は、しかし次の瞬間には何事もなかったかのようにまた人の形を象った。
「おォ…怖いねェ〜」
『…チッ』
攻撃を中断させる手法はあるものの、ロギアと呼ばれる系統の悪魔の実を食した彼らに私の攻撃は効かない。
こちらが一方的に体力を削られるだけで、先程から他の大将と渡り合っている白ひげ海賊団の人に任せるのが最適解だろう。
けれど既にあちらだって手一杯、仕方ないかと武具に呪力を込め再び構え直した__次の瞬間には、顔のすぐ横に黄猿の膝があった。
『__ッ?!』
「戦闘中に考え事はいかんねェ〜」
はっや。全く見えなかった。
光を操る能力者だからこそ出せる光の速度、なるほどこれは厄介。
頬に喰らった蹴りを体を反らし呪力を固めることでダメージを最小限にする。
すぐに態勢を持ち直し、続けてこちらに攻撃をして来ようとする黄猿と間合いを詰めた。
向こうは遠距離も行けるが、私は基本近接のみ。
呪力を使う戦闘は今後のことも考えるとなるべく控えたい。
伸ばされた黄猿の腕を躱している暇はない。
相打ち上等、一切そちらに意識を割くことなく、ただ同等の一撃を叩き込むことだけに集中する。
私が攻撃を避ける気配がないことに気付いた黄猿が怪訝そうに眉根を寄せた。
私はそれを見逃さずに、手首を回して勢いをつけ呪力を込めた刃先を彼の鳩尾に叩き付ける。
『__ッッ、ァく!』
入った。この感覚は間違いない。
しかし、それと同時に放たれた光の打撃に思い切り後方へ弾き飛ばされる。
何回か転がることで勢いを殺し、手を地面に着いてこれみよがしに討ち取ろうとしてくる海兵達を纏めて蹴りあげた。
苦鳴をあげて倒れ込む彼らには目もくれず、伸びた前髪がチラつく視界の中で直ぐに黄猿の姿を探す。
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なぎしば(プロフ) - 改革さん» ご指摘ありがとうございます。確認したところ訂正すべき箇所が分からなかったのですが、具体的にどのセリフか教えて頂けますでしょうか? (4月20日 0時) (レス) id: 520c46c8a4 (このIDを非表示/違反報告)
改革 - 三話の一方通行って話の中のセリフがおかしかったです。 (4月18日 9時) (レス) id: bf669bb16c (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 作者さんの素晴らしい語彙力で、戦闘シーンの緊張感などリアリティ満載の作品が楽しめました!とっても面白いです、ありがとうございました。 (2月25日 10時) (レス) @page33 id: 991a92c757 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしば(プロフ) - わたあめさん» 感想を頂けてとても嬉しいです!更新頑張りますので、これからも飽きずにお付き合い頂けたら幸いです! (5月14日 16時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 凄く面白かったです!テスト前なのに一気見しちゃいました笑更新頑張ってください!! (5月11日 0時) (レス) id: ddaf0618b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なぎしば | 作成日時:2023年2月7日 17時