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それぞれの役割 ページ20



デジャヴである。




『〜〜〜ッ?!!』




波に乗るようにして宙に放り出された体、近付く石の敷かれた地面。




《Aさん、アンタを先にルフィくんのところに送らせてもらう》

《あの麦わらボーイ一人じゃどこまで行けるか分からナッシブルから、プリティガール、ヴァナータの実力がどこまで通じるかは未知だけれど…頼んだわよ?》




大きく聳え立つ包囲壁の向こうで交わした会話。

一人で無謀にも乗り込んで行ったルフィを心配する気持ちがあったため、数分前、彼がどうやって送り出されたのかを忘れていた。

迷うことなく肯首した直後に、これである。



__本当に、デジャヴだ。




『だッから、普通これで生きてる方がおかしいんだってば…!』




向こうには暴れ回るルフィが見えて、あの送り出し方で無事だったのは彼の能力故だろうか。


私だってパンダに投げて貰って受け身の練習くらいしてきた。
建物の五階くらいから落とされても生還は出来るし、なんなら五条先生の無茶ぶりでちょっとした廃ビルから飛び降りたことだってある。



けど、これは次元が違うだろう。

この高さは例えるなら、超高層ビル。
流石に私だってそれはやったことは無いし、この先やるつもりだって無かった。

そもそもこういう状況には普通落ちている周囲に物がある筈であって、それを巧みに使いながら着地するものなのだ。
しかし今は、周囲に何もない。

大海原を羽ばたく無防備な鳥の気分である。




『〜〜ああッもう!』




半ばキレながら舌打ちと共に吐き出した言葉は誰の耳にも届かない。
だってここは遥か上空だから。



私は左手に持っていた薙刀を一度回し、定めた着地地点へ刃の先端を向ける。

柄に片手をそっと添え、目を閉じ息を吐いた。

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なぎしば(プロフ) - 改革さん» ご指摘ありがとうございます。確認したところ訂正すべき箇所が分からなかったのですが、具体的にどのセリフか教えて頂けますでしょうか? (4月20日 0時) (レス) id: 520c46c8a4 (このIDを非表示/違反報告)
改革 - 三話の一方通行って話の中のセリフがおかしかったです。 (4月18日 9時) (レス) id: bf669bb16c (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 作者さんの素晴らしい語彙力で、戦闘シーンの緊張感などリアリティ満載の作品が楽しめました!とっても面白いです、ありがとうございました。 (2月25日 10時) (レス) @page33 id: 991a92c757 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしば(プロフ) - わたあめさん» 感想を頂けてとても嬉しいです!更新頑張りますので、これからも飽きずにお付き合い頂けたら幸いです! (5月14日 16時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 凄く面白かったです!テスト前なのに一気見しちゃいました笑更新頑張ってください!! (5月11日 0時) (レス) id: ddaf0618b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なぎしば | 作成日時:2023年2月7日 17時

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