５３話 ページ5
「う…気持ち、悪い…ッ」
「なかなかそなたも大変よのう、主」
なんとか粗方の霊力を流し込み終わり、今は博多がやりたい！といったため、最後の仕上げで打ち粉を亀甲の刀剣に付けてもらっていた。
アタシのほうは大分無理して手入れを終わらせたため、ダウン中だ。部屋を出た廊下の方で蹲って何とか霊力の波が落ち着くのを待つ。
小鳥は優しくアタシの背中を撫でてくれていて、大分気分は落ち着いてきていた。
手入れ、刀剣に霊力を直接流し込む行為は、どちらにとっても危険な行為。
今、その刀剣がどれだけの量の霊力を受け取れるか、その受け取れる量を大幅に上回ってしまえば、刀剣のほうに衝撃が行くし、上回った霊力は霊力保持者のところに戻ってくる。
というより跳ね返ってくる。
今回、幸か不幸か、亀甲のところにいった衝撃は少しばかり後ろに倒れてしまうくらいで収まったようだが……その分アタシのほうに戻るときの衝撃は強かった……
二日酔い、みたいな。ずーっと気持ち悪くて仕方ない感じだ。
当の本人である亀甲も、流石に申し訳なさそうな表情をしてこちらを見ながら博多の手入れを受けていた。
「あー……もう大丈夫…世話掛けたね、小鳥」
「気にするな、主の世話も父の役目よ」
少し遠くを見ながら落ち着いておけば、次第に気持ち悪さも治ってくる。小鳥がずっと背中を擦ってくれていたおかげもあるだろう…
チラリと部屋の中に目線を向ければ博多の方の仕上げも丁度終わった所だったのか、丁寧に刀剣を鞘にしまい込んでは亀甲へ手渡していた。
「さァて……」
「ご、ご主人様…態とでは、ないんだよ。本当に…」
「ンなこたァ、こっちも分かってるさ。今のアンタの表情は本当に反省してる顔だしねェ…さて、でも今回の事に関しては流石に少し罰を受けてもらうよ」
座っている亀甲の前に立ってそういえば、亀甲は少し表情を強張らせて瞳を右往左往させる。
いくらアタシの事を信用してるって言ったって前任の影が消えていないし…ちょっと、しくったな。
相手を安心させるために少しかがんでは、一回ぺち、とデコピンをくらわした後に亀甲の頭をなでてやる。
「なにも、アンタだけに非があるわけじゃない。アンタの言葉に動揺しちまったアタシも同罪だ。一緒に罰受けるから。」
「で、ご主人様。これ、どういうことかな？」
「罰。この大浴場を二人だけで風呂掃除。夕飯までに。」
「ご主人様結構無理なこと言い出すね？あと一時間だけれど」
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病蛟(プロフ) - 勇者の人さん» お褒めの言葉をいただきありがとうございます…自分自身も楽しみ、かつ読者にも楽しんで感動して頂けるような小説をモットーに書いていますので、とてもありがたく思います。体を気にかけていきつつ投稿させていただきますので楽しみにしていてくださると幸いです。 (2021年9月22日 21時) (
レス) id: 1220734e66 (このIDを非表示/違反報告)
勇者の人(プロフ) - 文章が綺麗でとても読みやすく、読んでいて感情が揺さぶられたりと素晴らしい作品ですね。応援しています、これからも無理しない程度に頑張ってください。 (2021年9月22日 2時) (レス) id: 0ba614db75 (このIDを非表示/違反報告)
病蛟(プロフ) - もっちーさん» 一期一振に関する誤字を教えていただき有り難う御座います。修正作業に取り掛かります故…これからもこの作品をどうぞよしなに、楽しめるような続きを投稿させていただきます。 (2021年9月11日 22時) (レス) id: 1220734e66 (このIDを非表示/違反報告)
もっちー(プロフ) - はじめまして！続き楽しみに待ってます！！それと一期が一護になってます! (2021年9月11日 19時) (レス) id: 5828451b09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：病蛟 | 作成日時：2021年8月18日 23時
