６２話 ページ14
政府のお偉方にコネがあるとて、いま審神者が殺されているなら…そのお偉方も殺されなくともせめて頸にはなッてそう、だけどねェ……まったく、どうしたものか。
其処の調査も、部下に頼むことにしよう。そのことに関してメールを追加送信しては壁にもたれかかりつつ天井を見つめた。
なんだか一気に襲い掛かって来た疲労感に軽くため息を吐いて携帯を仕舞う。元々疲れを溜め込みやすいタチで、それでも何処かでこの疲れをぶっ飛ばせるところがあったモンだが……
日々刀剣を助けて治して降して戦って……
「重労働だな、どっちが黒いッて……政府が黒くちゃァ、本丸も真っ黒に染まるだろうに…」
刀剣達をただの道具だとしか思っていない一部の審神者はクズだ。
でも、そいつらを野放しにしている政府の上層部だッて同じ。
「なンだか…生き辛い機関になッたモンだねェ…疲れちまうよ」
ぽつり呟いた言葉はだれに聞かれるわけでもなく虚空に溶けていった。
「鶴丸、つれてきたぜ」
「ン、ありがとうねェ、日本号」
あの後、書斎で文机に向かって部下から早くも送られてきたデータに目を通していた。
彼奴……アタシが指示した仕事は熟すのが速いンだから…ッたく。できた部下ではあるけど、性格は困ったちゃんだ
カラりと障子戸が開いた音がして、パソコンから目を離して振り返れば何時もの日本号と不思議そうな顔をした鶴丸が居た。手招きをして部屋の中に入れれば、日本号はアタシの右斜め後ろに。鶴丸は目の前に座した。
「…で、どうした？昨日の今日で聞きたいことなンて」
「へし切長谷部」
アタシが小さく呟けば、鶴丸の表情は次第に強張る。そして、ほんの少しばかりつらそうな表情を見せた後うつむいて首を静かに横に振った。
「済まないが、俺の情報も他の奴らと大して変わらないぜ。……あァ、でも一つ。……俺は前任のお気に入りでもあったから、前任が酒に酔ってる間にポロッと零したヤツなら…」
「っそりゃ何だい、少しでもいいンだ。情報が欲しい」
「あー…確か……」
そして、今…
「A……本当に入るばい…？な、なんかこの水死んでるたい、ばっちぃけんやめた方が…」
「……漢魅せないと審神者なンてやってらんないンだよ……」
「の、割には声が震えておりますな…」
「じゃあ一期はこの中に入れって言われたら動揺せずノータイムで入れるッて？へェ？」
「……失言でした」
ドロリとよどんだ池の中に入ることを試みることになりかけている。
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病蛟(プロフ) - 勇者の人さん» お褒めの言葉をいただきありがとうございます…自分自身も楽しみ、かつ読者にも楽しんで感動して頂けるような小説をモットーに書いていますので、とてもありがたく思います。体を気にかけていきつつ投稿させていただきますので楽しみにしていてくださると幸いです。 (2021年9月22日 21時) (
レス) id: 1220734e66 (このIDを非表示/違反報告)
勇者の人(プロフ) - 文章が綺麗でとても読みやすく、読んでいて感情が揺さぶられたりと素晴らしい作品ですね。応援しています、これからも無理しない程度に頑張ってください。 (2021年9月22日 2時) (レス) id: 0ba614db75 (このIDを非表示/違反報告)
病蛟(プロフ) - もっちーさん» 一期一振に関する誤字を教えていただき有り難う御座います。修正作業に取り掛かります故…これからもこの作品をどうぞよしなに、楽しめるような続きを投稿させていただきます。 (2021年9月11日 22時) (レス) id: 1220734e66 (このIDを非表示/違反報告)
もっちー(プロフ) - はじめまして！続き楽しみに待ってます！！それと一期が一護になってます! (2021年9月11日 19時) (レス) id: 5828451b09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：病蛟 | 作成日時：2021年8月18日 23時
