あたしの隣。 (ページ15)

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｢可愛い～～！！！｣

し｢だろ？俺の息子！｣

｢おばちゃんだよ～～！宜しくね！！｣

あれから何年か経って、私も高校を卒業して、大きくなった。
今日は、実家にゆー兄の子供を見に来た。

｢あやちゃんお疲れ様！｣

｢ありがとう～！！｣

あやちゃんとは、ゆー兄の奥さんだ。
お姉ちゃんみたいに私に手を焼いてくれて…本当の妹のように大事にしてくれる。
ほんとにいい人だ。

｢鼻とかあやちゃんそっくりやもんねー｣

し｢俺！？俺は！？｣

｢んー…｣

し｢そんな考えなないの！？｣

｢うるさいなあ！ゆー兄は！｣

月日は流れて、私もゆー兄への気持ちは完璧ではないけど薄れていってる。
心からおめでとうと言える。
ゆー兄のことはもちろん、あやちゃんのことも心から好きと言える。

前みたいな幼い嫉妬はしなくなった。

今日はゆー兄だけ実家に泊まるらしい。

し｢よお。｣

｢なーんか久しぶりだね！｣

し｢ほんとだよお前～！結局関西に住み着きやがって！｣

｢ゆー兄だって！埼玉行ったやん！｣

し｢そりゃそうだけどよ！｣

ゆー兄への恋愛感情がなくなった分、少しだけ毒を吐けるようになった。
かなりの成長です。

し｢しかし、大人っぽくなったな。｣

｢一応、大学生なんで。｣

し｢もうそんななるかあ～…色々あったな。｣

｢ほんとにね。あのね、ゆー兄｣

し｢ん？｣

ずっと言おうと思ってたことがある。

｢今、幸せ？｣

し｢なんだよ。いきなり(笑)｣

｢言うたやん。あの日。｣

し｢あー。｣

｢絶対幸せになってねって。｣

し｢そうだったな。｣

｢あの時は本当にごめん。｣

し｢なに、謝ってんだよ。それで俺も成長出来たとこあるし、感謝してるよ。｣

大好きだった大きい手で撫でられる。懐かしい。ふわふわして、落ち着く。

｢ゆー兄…｣

し｢めっちゃ幸せになってるから安心して。｣

そう満面の笑顔で言われると嬉しくなる。

｢よかった…！！｣

思わず抱きついてしまうけど、これは、兄妹の抱擁。決してやましい気持ちなんてない。

何年か経ってやっと、本当の兄妹になれた気がする。

いっぱいごめんね、ゆー兄。

いっぱいありがとう、ゆー兄。

｢そういえばね、私彼氏できたの。｣

し｢は！？！？｣

いっぱい愛をありがとう。
いっぱい愛を教えてくれて有難う。

少しは貴方に近づけましたか？

これからもよろしくね。

最愛のお兄ちゃんへ。今隣にいる妹より。