あたしの隣。 (ページ12)

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OA 11 ページ12

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り｢あれ～？会わないんじゃなかったの？｣

｢いじわる！！｣

虫｢てか、びっくりしたよ～なんかあったら電話しておいでって言ったじゃん！｣

｢ごめんね、急だったから｣

ざわくんには悪いことしたなあと思いながらふたりとドライブに出る。

最近のお話しながら山の中を駆け巡り絶景スポットへ。

｢きれー！！｣

り｢凄いね。｣

虫｢写真撮っとこ。｣

吸い込まれそうな緑の中に広がる無数の景色に
心が和らぐ。

り｢…A。｣

｢ん？｣

り｢聞きたくないかも知らんけど、しばゆーの最近のこと言っていい？｣

｢…うん。｣

現実逃避の時間は終わり、現実と向き合うことになる。

り｢しばゆーね、すっごい自分を責めてたよ。俺が悪いって。｣

りょうくんの言葉に動揺する。

｢そんな…！ゆー兄がそんなこと思う必要ない…｣

り｢けど、しばゆーはそう思うしか無いんだよ。現にAが、それで岡崎から出ていってしまったから。｣

｢そ、れは…｣

虫｢しばゆーね、凄くやつれてる。Aちゃんのこと心から心配してるよ。｣

やつれてる…ゆー兄が…私のせいで。

虫｢やっぱり、しばゆーと話すべきだと思う。｣

話すべきなのは分かってる。だけど、怖い。怖くてしょうがないの。

｢分かってる…けど、｣

り｢怖い？｣

りょうくんの言葉にゆっくり頷く。

り｢多分ね、しばゆーも怖いと思うよ。｣

｢どういうこと？｣

り｢今の状況。自分のせいでAが居なくなって、会いたくても会えなくて、話したくても話せなくて、いつも傍にあったものがいきなり無くなって。Aとは、怖いのジャンルが違うかも知らないけど、凄く怖いと思うよ。｣

ゆー兄に怖い思いさせてる？私が？

り｢今、しばゆーの不安を取り除けるのは Aだけだよ。｣

私だけ。

虫｢これを乗り越えられて初めて大人になれると思うんだ。｣

大人に。

り｢A言うとったやん？大人になりたいって。このまま子供でいるか、大人になるか、どっちがいい？｣

ずっと願ってた。大きい背中に少しでも近づきたかった。私は…

｢…岡崎に行く、ゆー兄と、話す…｣

不安だけど、怖いけど、あの背中に一歩近づけれる。

｢りょうくん、ざわくん、ありがとう…｣

この人達が居なかったらずっと私はこのままだった。

決心を固め、二人に感謝しながら、私はゆー兄の元へ向かった。