百四十七振り ページ28
「はぁっ？！！」
堪らず立ち上がる。
「何を言ってるの乱？！プ、ぷろ、プロポーズなんてそんな訳……！！！」
「えっ？今のはどう考えてもプロポーズだったよね？」
乱が愛染達に目を向ける。
二人は顔を見合わせ後、笑って首を縦に振った。
「主さん、恥ずかしがる事無いぜ。俺達皆、祝福するからさっ！」
「そうだよ。喜んで良いんだよ」
「い、いや、待って？ねぇねぇ待って？！私と山姥切、付き合ってもないのにプロポーズだなんて……」
「えっ？！？！」
信じられない、そんな表情を乱がする。
「…付き合ってない？本当に？」
「う、うん。そうだけど」
「……」
乱は絶句し、額に手を当てた。
暫くうんうんと唸る。
＿＿『プロポーズ』ねぇ。だったら、どれ程嬉しいか。山姥切と付き合えたら、どれ程嬉しいか。
だけどそれは、有り得ないから。だって、私は、人に好かれる筈がないから。
ちらと、座り込んだままの山姥切を見る。
心底気まずい。
ごめんね。私なんかに、好意なんてある筈ないのに。嫌だよね。
「二人共鈍感だとは思ってたけど…主さん！」
「ひゃいっ？！」
「山姥切さん！！」
「……何だ」
「もう、この際だから言っちゃうよ！！良いね？！」
見た事も無い様な剣幕で迫られ、堪らず後退りをする。
「気付いてないの、二人だけだからね？！僕達皆、二人が好き合ってるの分かってるからね？！！」
思わず思考が止まった。
「……」
言葉が一切出てこない。
乱が何を言っているのか、理解出来ない。
乱の言葉を、漸く反芻する。
＿＿そんな訳、無いじゃないか。
「……や、まんば切が、私を……なんて、ありえ、ない」
覚えずそう呟いた。
だって、本当に、有り得ない事だろう。
「有り得なくないの！…ねぇ、山姥切さん。言ったらどうなの？『好きだ』ってさ！」
乱は御立腹の様子でそう言った。
座り込んでいた山姥切が、その言葉を受けてか立ち上がる。
布の下から覗いた顔は＿＿
「っ…」
見た事がない程、朱に染まっていた。
思わずその顔を凝視してしまう。
山姥切は小さく口を開いた後、視線を逸らせて、
「…本丸で、あんたを、待っている、から」
その声は震えていた。
途端に、ぎゅっと、心臓が掴まれたかの様に痛くなる。
「山……」
『山姥切』
そう、名前を呼ぶ前に。山姥切は部屋を出て行ってしまった。
残された私は＿＿沢山の感情が綯い交ぜになって、その場に崩れ落ちたのだった。
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ナガミ(プロフ) - 睦月乃さん» 御意見、有難う御座います！良い話だなんて…創作者として冥利に尽きます。大変嬉しいです！！私も長い話の方が好きなので、もうなんなら文庫本になるくらいに書きたいと思います！！ (2018年9月16日 0時) (
レス) id: 80f8c5534f (このIDを非表示/違反報告)
ナガミ(プロフ) - Lupineさん» 御意見を下さり、有難う御座います！占ツクでは余り長い物を見た印象がないため、長編は嫌われるだろうか…そんなにこの話に興味はないだろうか…と悩んでいたので、長編が好きだといってくださって嬉しいです！もうとてつもなく長く書きたいとおもいます！！！ (2018年9月16日 0時) (レス) id: 80f8c5534f (このIDを非表示/違反報告)
睦月乃(プロフ) - 私は長い話の方が好きです！ いつも良い話をありがとうございますこれからも頑張ってください応援してます (2018年9月14日 17時) (レス) id: fab13ef4ac (このIDを非表示/違反報告)
Lupine(プロフ) - 私は長編小説を読むのが好きなので長く書いてくださると嬉しいです！これからも応援してます！ (2018年9月14日 7時) (レス) id: 4de4e1b52c (このIDを非表示/違反報告)
ナガミ(プロフ) - マナマナさん» コメントありがとうございます！！！そう言って頂けてとっても嬉しいです！！！！！！もう本当に嬉しいです...ありがとうございます(´；ω；`)これからも好き勝手更新するので、お暇でしたら是非見て下さい！！！本当にありがとうございます！！！！ (2018年9月1日 18時) (レス) id: 6b18d1cb3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナガミ | 作成日時：2018年4月4日 21時
