百四十振り ページ20
連続的で無機質な音が、耳に届いた。
「ん…？」
目を開けば、そこは見慣れた天井＿＿な訳が無かった。
木目等無い、ただ白い天井が見えた。
起き上がろうとして＿＿上手く、身体に力が入らない事が分かる。
仕方がないから、寝たまま周りを見た。
スライド式のドア。心電図を表示する機械。棚と、その上に飾られている花。ナースコール。起き上がった場合の正面には＿＿大きなテレビ、だろうか。
どうやら此処は、病院らしい。
しかし、何故病院に居るのだろう。
全くと言っていい程原因が分からない。
ベッドを起こす。窓の外を見れば碧空が広がっていた。
「……」
自分の身体をまじまじと観察していくと、左腕に包帯が巻かれていた。他の部分に何かが施されている様子は無い為、入院の原因はこの左腕にあるのだろう。
さて、此処に来るまで、私は何をしていたのだろう。
記憶を辿ろうとしたところで、テレビに電源が入った。
思わず凝視していると、黒い画面に白い文字が現れる。
おはようございます、堀川さん。
此処は、ときの政府直轄の病院です。
「『ときの政府直轄の病院』……？」
堪らず声に出せば、
はい。
此処は、政府の役人や、審神者の方に何かがあった場合に、診察並びに入院する病院です。
文字は、そう返してきた。
どうやら、マニュアル通りにAIが打ち込んでいるだけ＿＿と言うよりは、別室で私の様子を見ながら対応している様に思える。
「……あの、直接お話する事は出来ませんか？」
そう問うと、暫く文字が打たれなくなる。
画面越しでも良いのだが、直接話をした方がタイピングの時間が無くなり良いだろう、と思った。
分かりました。今から其方に向かいます。
その文と共に、テレビの電源が切れる。
対話していた人が来るまでの間、包帯の巻かれた左腕を見つめ、何故入院したのかを、ずっと自分に問い掛けていた。
＿＿勿論、何も思いつかなかったが。
不意にドアが開いた。
驚いて其方を見れば、薄い髪色の女性が歩いてくる。
見目からして、看護師だと分かった。
｢こんにちは｣
私の言葉に、女性は｢こんにちは｣と笑って答えた。
傍まで来ると、椅子に座る。
｢改めておはようございます、堀川さん。私は貴方の担当をする、木本と言います。身体の調子は如何ですか？｣
｢えっと…起き上がる事が難しくて……｣
目を見ながら話して、気付いた。
あ、山姥切と同じ、紺碧の瞳をしている。
＿＿山姥切、目を覚ましたかな。
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ナガミ(プロフ) - 睦月乃さん» 御意見、有難う御座います！良い話だなんて…創作者として冥利に尽きます。大変嬉しいです！！私も長い話の方が好きなので、もうなんなら文庫本になるくらいに書きたいと思います！！ (2018年9月16日 0時) (
レス) id: 80f8c5534f (このIDを非表示/違反報告)
ナガミ(プロフ) - Lupineさん» 御意見を下さり、有難う御座います！占ツクでは余り長い物を見た印象がないため、長編は嫌われるだろうか…そんなにこの話に興味はないだろうか…と悩んでいたので、長編が好きだといってくださって嬉しいです！もうとてつもなく長く書きたいとおもいます！！！ (2018年9月16日 0時) (レス) id: 80f8c5534f (このIDを非表示/違反報告)
睦月乃(プロフ) - 私は長い話の方が好きです！ いつも良い話をありがとうございますこれからも頑張ってください応援してます (2018年9月14日 17時) (レス) id: fab13ef4ac (このIDを非表示/違反報告)
Lupine(プロフ) - 私は長編小説を読むのが好きなので長く書いてくださると嬉しいです！これからも応援してます！ (2018年9月14日 7時) (レス) id: 4de4e1b52c (このIDを非表示/違反報告)
ナガミ(プロフ) - マナマナさん» コメントありがとうございます！！！そう言って頂けてとっても嬉しいです！！！！！！もう本当に嬉しいです...ありがとうございます(´；ω；`)これからも好き勝手更新するので、お暇でしたら是非見て下さい！！！本当にありがとうございます！！！！ (2018年9月1日 18時) (レス) id: 6b18d1cb3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナガミ | 作成日時：2018年4月4日 21時
