台本にない〜千side〜 ページ10
Aとのキスシーン撮影の日。
Aの事を諦めると宣言した割に、諦めがつかない。
Aもモモも、気持ちがないのはカウントしないと言う。
今まで、僕もそう思って仕事を受けてきた。
でもAだから、嫌なんだ。
結局Aのファーストキスを、こんな形で貰ってしまうのが嫌だ。
気持ちのないキスをカウントしなければ、僕だってファーストキスは未経験になる。
・・・・・・絶対違うと思う。
僕の一回とAの一回は違うと思う。
でももう後戻りは出来ない。
監督のスタートの声にAの頬を包んだ。
・
そっと顔を近づけるとAは目を閉じた。
【演技だ。期待はするな。】
今まで散々したかったAとのキスに緊張する。
唇が触れて少しして離れると、Aが頬を少し赤らめて嬉しそうに微笑んだ。
瞬間、心臓がドクンと跳ねた。
台本通りなのに・・・でも・・・
【あぁ、駄目だな、僕は・・・・・・】
そんな顔を見せられたら、止まらない。
もう一度、唇を重ねた。
『・・・っ』
やっと離してから抱きしめた。
【Aが・・・・・・】
「・・・好きだ。」
『私も・・・』
・
Aに言った。
「僕、謝らないから。やっぱり諦めなくてもいい?」
ダメって言う?
散々振られて来たんだ。
僕は勝手だ。
諦めるって言ったり、諦めないって言ったり。
Aの好きな人はモモじゃないと言う。
誰か分からない。
モモは良いと言ったけど、モモじゃない誰かなんて嫌なんだ。
『・・・っ勝手にすれば?』
嬉しい。
ダメって言わなかった。
「うん。ありがと。」
Aの頭をポンと触って監督の所へ戻った。
もう、僕は恋愛する役はやめよう。
もうこんな想いはしたくない。
共演NGをたくさん貰っているし、A以外は嫌だ。
モモとAとおかりんは何て言うだろう。
賛成してくれると助かる。
そう思いながら次のシーンの撮影をした。
・
意外とあっさり受け入れてくれた。
「共演NGが多いからですね?路線を変更しますか?今なら千くんの演技力なら他の役もオファーが来ると思います。」
おかりんの言葉に、モモも賛成した。
共演NGが多いだけじゃないんだけど。
「いいんじゃない?ユキは超イケメンでジェントルマンだから、どんな役でも出来ちゃうよ!」
『うん。硬派なのとか真逆でいいね。』
「真逆じゃないよ!」
僕、シャイな方だと思ってるんだけど、Aには軟派に写ってるのかな?
233人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ZOOL(こう打ちしか出来なくて申し訳ないです(>_<)の中では誰が、というのは特になかったんですけど、了さん側の裏を書いてると、私の中では普通に、巳波くんが絡んできたのでww2月後半か3月になるかと思いますけど、よろしくお願いします! (2020年1月29日 21時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 大丈夫ですよ! 楽しみにしてます!ŹOOĻの棗巳波にハマってしまったのです。 (2020年1月27日 21時) (レス) id: 39bb781660 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ちなみに、ベースは書いてます。でないと、百の本編の裏とりが出来なかったので(笑) (2020年1月27日 17時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 凛音さん» ありがとうございます!巳波くんですか(汗)他落ちが話一辺倒な気がして、偏ってるなと反省途中なので、巳波くんside主体で、他が落ち着いてからで、どうでしょうか(^^ゞ (2020年1月27日 17時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 頑張ってください!面白いです! 個人的に棗巳波くん落ちもみたいです!笑 (2020年1月27日 13時) (レス) id: 39bb781660 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:miz | 作成日時:2019年2月27日 8時