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一通り話を聞いた百は、眉を下げて困ったように笑った。
「了さんに何かして、壮五たちが何か言われんのヤだよ？近寄んないで放っときな？」
「そうだよ。壮五くんは俺たちやRe:valeさんの事を考えてくれたんだろうけど、気持ちだけで充分だよ。ありがとう」
「そうですか？わかりました。百さんと十さんが言うなら･･･」
微笑んで、素直に引っ込むそうちゃん。
トラが少し目を見開いて驚いたような顔をした。
「意外だな。百は過激派だと思ってたんだが」
「なんだかんだで元々了さんと友達だったからじゃない？」
「占い的には公平な人格者ですし、首を傾げるほどではないと思いますが」
トラの言葉にハルちゃんとミナがキョトンとしたように返すも、トラは何かを思い出すように目線を上へ上げて、そうか？と首を傾げてる。
ああ、そっか。
去年のNEXT Re:valeでの対決みたいな雰囲気になった時、百が笑顔で、ボールペンをトラの太ももにぶっ刺したっけ。
正しくは、そう見せかけただけなんだけど。
しかも原因は、トラが千にボールペンの先を向けたからだし。
心臓には悪かったよね。
全国放送で。
「さすがお2人共、優しいし大人っすね！」
笑顔のトウマの言葉に百と龍ちゃんが照れたように笑って、後頭部をかく。
大人はあんな風にぶっ刺したりしない。
でも、だからこそ格好良かったし、だからこそ好きなんだけど。
「へへー、誉められちゃった！Aも惚れ直した？」
『惚れ直してない』
「嘘！？オレなんて毎日毎秒、ユキとAを惚れ直してるのに！？」
そこでやっぱり千の名前も普通に出てくる所が百だよね。別に良いけど。
『そこまでのエピソードないよね？』
「いくらでも言うよ！？」
『恥ずかしいから止めて』
言いそう。
どこからか引っ張り出してきそう。
恥ずかしさで体が熱くなってきてアイスティーを飲む。
「Aさんは、惚れ直してないというより、十分にそういう部分は知ってたから惚れ直すほどでもない、って意味で言ったんじゃないんですか？」
隣の天からの急な言葉に、アイスティーでむせた。
『ーーっゴホッゴホッ』
「大丈夫ですか？ハンカチどうぞ。本日これは使ってませんので」
ミナがすかさずハンカチを渡してくれる。
咳のせいで、ありがとうとも言えずに手をごめんのポーズにして、頭をペコッと下げてから自分の鞄の方に行く。
自分のミニタオルを出して口を覆った。
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作者名：miz | 作成日時：2021年7月3日 9時
