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『えとね、演劇部』
「「演劇！？」」
演技出来るの！？って聞かれたり、この子もやってるよって言われたり。
入らない？って誘われる。
『裏方中心だったから。物作ったり照明あてたり。ナレーションはしたことあるけど、演技は出来ないよ。演劇部に入るかは･･･少し考えさせてね』
休み時間が終わって予鈴が鳴る。
散り散りになると、隣の席の瑠璃が不思議そうな顔で私を見てるのに気づいた。
『どうかした？』
「演劇部って体力作りも重要視されてて、時間も結構取られるよね。皮肉じゃなくてさ、それでも成績良いのって並大抵の努力じゃないよねって思って。そこまでして演劇部もやってたのが凄い！」
『大した理由じゃないよ』
「好きだからじゃないの？」
『演劇も裏方も特に好きってわけじゃないよ』
「じゃあ何で？」
言って良いのか迷う。
これを知られるのってちょっと恥ずかしい。
自己紹介で言いたくなかった事はこれだから。
先生がまだ来ないことを良いことに、瑠璃の方にソッと体を寄せると、瑠璃も私の方に寄せてくれる。
『あの、秘密ね？』
「ん？」
『物凄く好きな声の先輩がいたの』
「おぉ？恋バナ？」
『違う。声だけ』
一拍おいて瑠璃が、理解不能そうな顔で私を見た。
「･･･声だけ？」
『うん･･･声だけ好きだったの･･･』
「性格は？顔は？」
『･･･可でもなく不可でもなく。･･･ええと、よくある、顔だけタイプとかいうのと似てて･･･』
いたたまれなくなって自分の声が小さくなっていく。
瑠璃は本鈴と同時に、机に伏して肩を震わせて静かに笑った。
・
いわゆる声フェチみたいなもんだよね。
いいの。
声がタイプって中々いないし。
イケボかどうかとはまた別なんだよねえ･･･
「A〜これでいい？穿いてみて〜」
瑠璃の声がして立ってドアを開ける。
瑠璃が“ほら”とスカートを差し出す。
ホッとしてスカートに手を伸ばすと、ガチャッと音と共にかすれた声が聞こえてきた。
「ただいま〜！」
「あ、も･･･」
なんだこの声。
超タイプ。
もう少し低くなるともっと良い。
『･･･も？』
瑠璃を見ると、固まって玄関の方を見てる。
不思議に思って目線を玄関の方にやった。
黒髪の男の子が、真っ赤な耳して顔を押さえてる。
顔が微妙に見えないけど、弟くん？
瑠璃が慌てたように、スカートと私を洗面所に押してドアを閉める。
何なんだ･･･って･･･
自分の今の状態を見て、思わず悲鳴を上げた。
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ミズ ミズ(プロフ) - KUROさん» コメント励みになります！ある程度の流れは決まっているのですが、セリフや行動にすると自分の他作を彷彿とさせないのが難しく更新が遅くなってしまってごめんなさい(_ _;)頑張ります！読んでいただいてありがとうございます！ (2021年11月23日 0時) (
レス) id: 7a55b8132b (このIDを非表示/違反報告)
KURO(プロフ) - 本当に読んでいて楽しくなれる作品だと思います！更新待ってます！ (2021年11月22日 21時) (レス) id: e464551ebb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2021年11月11日 13時
