28 (合否発表) ページ29
年も明け、瑠璃たち友達同士いつもの4人でお詣りに行った。
お守りも買っておみくじもひく。
百瀬くんが合格しますように！
あんだけ頑張ってんだもん。
あ、弟もだ。
危ない危ない。弟も合格しますように！
「A、すんごい念こもってたね。何願ったの？」
『弟と百瀬くんの合格祈願！』
瑠璃の問いに明るく答えると、瑠璃がキョトンとした後、クックックッと肩を震わせる。
「自分のお願いはいいの？」
ハッとして慌てて手を合わせた。
忘れてた！！
私のお願い！！
今度こそ高校変わるとか嫌だから！！
引っ越しがありませんように！！
「あはは、一通りの祈願終えたのに」
『いいの！きっと叶えてくれる！』
必死なお願いは伝わるはず！そう思って念を送っていた。
・
百瀬くんの第一志望校受験前日。
最後の授業をし終えた。
『今日は明日のためにゆっくり休んでね』
「うう、単語どっか飛んでいきそう･･･」
百瀬くんがふら〜っとしながらも、ブツブツ単語帳の単語を口にしている。
『最後の復習は明日！』
百瀬くんが持ってる単語帳を取り上げて机に置く。
百瀬くんがベターッと机に上半身を寝そべさせた。
「あーっめちゃくちゃドキドキする！」
『サッカーの試合の方が緊張しない？』
「試合より緊張するかも」
頑張って力出し切ってと言う以外の言葉が思い当たらない。
でも目に見えて頑張ってたのを知ってるから、今は頑張ってと言いたくない。
コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
振り向くと、開いてるドアの所に瑠璃が立っている。
「送るよ？そろそろ遅くなっちゃうし」
『ありがと。今行く』
先に行く瑠璃の背中を見て、急いで帰り支度をする。
今度こそ、勉強を教えるのは最後だ。
楽しかったな。
面白かったな。
百瀬くんの、勉強の出来る範囲が目に見えて増えていくの。
人に教え続けるのって面白い。
百瀬くんが素直だからなのかもしれないけど。
「Aさん」
『うん？』
鞄を肩にかけて立ち上がると、百瀬くんも立ち上がる。
「今日まで、オレのワガママ聞いてくれてありがとうございました！」
ペコっと腰からお辞儀をする百瀬くん。
ワガママって。
全然そんなことないのに。
『私、楽しかったよ。いい経験させてくれてありがとう』
勉強しか取り柄がない私でも、出来ることがあるのが嬉しい。
「あの、それでお願いがあるんですけど！」
その2つのお願いに、1つは条件付きで了承した。
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ミズ ミズ(プロフ) - KUROさん» コメント励みになります！ある程度の流れは決まっているのですが、セリフや行動にすると自分の他作を彷彿とさせないのが難しく更新が遅くなってしまってごめんなさい(_ _;)頑張ります！読んでいただいてありがとうございます！ (2021年11月23日 0時) (
レス) id: 7a55b8132b (このIDを非表示/違反報告)
KURO(プロフ) - 本当に読んでいて楽しくなれる作品だと思います！更新待ってます！ (2021年11月22日 21時) (レス) id: e464551ebb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2021年11月11日 13時
