【アイナナ】この道の先に。 (ページ7)

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思わず追いかける。

『ちょっ待って･･･』

何あの人！
足、早ない？

必死で追いかけて、□先輩のタワマン過ぎて、曲がったのを見ると、見失うと思って焦った。

『･･･っ、さっき助けてくれはった人ですよね！？』

言って曲がり角を曲がる。
その人は止まって振り返っていてくれた。

【あ、やっぱ、さっきの人･･･】

息切れしながら歩いて近づく。

「あれ？さっきの関西弁の子。」

『えと、AA言います。さっきは助けてくれて、ありがとうございました。お礼言いたかったけど、戻ったら、おらんくて。』

「え！？つけてきたんじゃないのか！？」
『ストーカーちゃうわ。』

思わずツッコむと笑われた。
マスクで全体はわからんけど、優しい表情する人やな。

「逃げてごめんな。追っかけかと思って。」

『は？追っかけ？』

一瞬、言われた事が、普段使うことのない単語だったものだから、思考が止まる。
オレンジ頭の人も、何故か私と一緒になってキョトンとしてる。

そう言えば、スカウトの人と業界が同じとか思ったっけ。

「『ああ。』」
『追っかけって、芸能人なんですね。』
「オレのこと知らないのか。」

『すみません。テレビ観ません。』
「今時珍しいな。ないの？」
『はあ、家すら。』
「家！？」
『ここの近くで泊まらせてもらってます。』
「ああ、だから偶然見かけて声かけてきたと。」

納得。と言いたげに頷いてるオレンジ頭の人。
かと思えば、何でか私を見て首を捻ってる。

いい加減“オレンジ頭の人”って言うの面倒。
だからと言って、芸能人とこれ以上親しくなるつもりはない。

迷惑もかかるだろうし、私には興味ない世界だし。

『引き止めて、すみませんでした。お礼言いたかっただけなんで。失礼します。』

私はお辞儀をして来た道を戻ろうとした。

「思い出した！昨日□といた子！」

『･･･は？』

今度は私が首を捻る番だった。

・

【なんでこうなった･･･】

だだっ広いテーブル。
何脚もの椅子。の１つに座っている私。

キッチンで料理する和泉三月さんに目をやる。

昨日先輩と話したと言う和泉さんに名前を名乗られて、記憶の一致を試みると、イケメンオーラの人と一緒にいた人だと思い出した。

イケメンオーラの人とか背の高い人とか言うと、そうそうと言って笑われる。
眼鏡で目の細い人って言っても笑われる。

『ああ、一番背の低い人だったんですね！』
「他の言い方あるだろ！」

笑ってツッコまれた。