【アイナナ】この道の先に。 (ページ48)

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「あー･･･これ、本当は言わないでおこうと思ってたんだけどね。」

【？】

「たっくんさ、“隠してるでしょ”って。“さっさとAの居場所教えろ”って言ったんだよ。」
『え！？･･･そ、それでどうしたの？』

「“隠さなきゃいけない理由があるの？あんなに仲良かったのに。信じないのは勝手だけど、知らないものは知らない”って言った。」

当然だと言いたげな表情で先輩が言う。

「じゃあ自分でまた探すって、たっくん言ってた。だから、電話あってから、逆に私のとこの方が安全かもって百は言ってたけど、私のとこから近いアイナナ寮が世間にバレてるからね。近くない方がいい。それに･･･多分･･･」
『多分？』

先輩が寂しげに笑った。

「Aのおばあちゃんには、私と関わらないでって言われちゃうかもしれないでしょ？私は芸能人だからさ。」

『あ･･･』

そうか。
もうおばあちゃんも知ってる可能性があるんだ。

これだけ話題になってるんだから、テレビがなくても耳に届く。
投票結果が出れば、嫌でもニュースになるだろう。

『でも、先輩とは付き合っていきたい。』

強く思いを込めて言った。
たっくんは付き合えないけど、失いたくないものはある。

「ふふ、ありがとう。･･･なら、たっくんの事おばあちゃんに言わないとね。心配するだろうけど、ちゃんと向き合ったら、ずっと育ててくれた人なんだから、Aのこと分かってくれるよ。」

『でも大丈夫かな･･･芸能人の方が信用できないでしょって言われたりしないかな･･･』

「おばあちゃんは私を信じなくても、一番信じなきゃいけない人くらい分かってるよ。嘘ついてるかどうかもちゃんと分かる。私たちの何倍も生きてるんだから。」

『そっか･･･』

私たちの何倍も生きてるか。
そうだよね。

私たち以上にきっと色んな経験してるよね。

芸能人嫌いになったのは、どこにいるかも顔も覚えてないお父さんが原因だし、ちゃんと優しい人もいるって話せば分かってくれるかな。

付き合いは浅いけど、IDOLiSH7の人たちも、ヤスさんは知らないけどRe:valeも、TRIGGERも、ずっと付き合ってきた先輩も、みんな良い人だ。

見えてないところは見ていって、知っていけばいい。

「あー･･･にしても、みっちゃんのこと気に入ってるかと思ったけど、そういう事情ならそれ以上先に進まないよね～」
『へ？』

三月くん？

『なんでそこで三月くん？』

キョトンとすると、先輩はニヤニヤして言った。