11 （Re:vale） ページ11
『だから芸能人なのに知り合いなのか。陸くんのツテかなとも思ったけど。』
「ツテは寮にいる誰ともなかったよ。みんな仕事関係で再会したって感じだったから。」
ああ、音楽関係って言ってたな。
てことは、三月くんらも音楽する人･･･
【歌手？アイドル･･･？】
まあ、そこは興味ないから別に良い。
□先輩は、それより･･･と、先輩の彼氏も私に会いたいと言ってくれてるらしく、日にちを調整して、会う日が決まった。
・
約束の日。
店の前。
ずっと近くでうろうろしていた。
だってさ。
だってよ？
おっ洒落な店。
ドレスコードないやんな？
そう思うくらいには敷居が高そうな店。
中が見えない。
先輩の趣味じゃないと思う。
彼氏？
彼氏が好きな店なの？
いい加減周りに変な目で見られ始めて、待ち合わせ時間も迫ったから、ソロッと入口に近づく。
恐る恐るドアを開けると、ホテルでもないのにドアマンがいた。
「ご予約のお客様でしょうか。」
にこやかなドアマン。
私は普通の服装だから追い払われるんだろうかなんてビクビクしながら、億安□さんと約束を･･･と言うと、スッと手を奥にやって、こちらへと案内してくれる。
小さなエレベーターに乗って上の階に着くと、高級そうなソファやテーブルがある。
「こちらでお待ちください。」
ドアマンが去っていくと、すぐに別の人が来た。
通されたレストランの奥の席に、□先輩を目の端にとらえて、ホッとした。
先輩が私に気づいて、こっちに来てくれた。
「ごめんね。普通の所の個室のつもりだったんだけどさー･･･」
『怖かったー･･･』
よしよしと頭を撫でてくれる。
『彼氏さんの好きな店？』
「違う。おまけの人が、意気揚々で予約した。」
『ああ･･･おまけって･･･』
ここに来る前、ラビチャがあった。
□今日、彼氏以外の人が会いたいって言ってきたんだけど、いいか聞いてって言われたの。断っても良いから、今日は遠慮させてくれると･･･とか打ち返してくれる?
いや、どんだけ連れて来たくないねん！
とか心でツッコむけど･･･
Aいや、普通に断ればいいんちゃう?
□Aの返信で、駄目ってあるまでは行く気みたい。
そこまで先輩が、私の事を良い方に言ってくれてるって事？
Aそこまで来たいなら来てもいいけど。人多い方が楽しいし。
□わかった･･･orz
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作者名：miz | 作成日時：2020年4月15日 21時
