笑顔のキミが好き【百】 18 (ページ45)

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御堂虎於との初接触　2 ページ45

『何様なの。人と真剣に向き合えない人には言われたくない。向き合えるようになってから出直して。』

私の言葉に、トラの目つきが険しくなって私の腕を離す。
でも私だって、百や千の悪口を言われたのはムカつく。

睨み合う。

「･･････アンタに俺の何がわかる。」

『･･････少なくともヒーローは、女をアクセサリー扱いにはしないし、遊んだりもしないよ。』

驚いた顔をして言葉を失ってるトラを一瞥して、マネージャーの所へ行った。
運転席のマネージャーが聞いてきた。

「･･･どなたですか？」

『ただの、素直になれない人だよ。･･････本当は優しくて寂しがりなのに。』

「そうですか。では事務所に戻りますね。」

『ありがとう。よろしく。』

【･･･でも、まだムカつく。】

言ってやれば良かった。
百と千を馬鹿にしないでって。

･･･いや、態度で分かっただろうけど、言葉で明確に言ってしまったら、それが弱点だと晒してるようなものだ。
さっきの会話で考えると、トラの俺様発言に怒ったようにもとれるから、言わなくて正解。

うん。

そう言い聞かせて、事務所に戻ってから、帰った振りしてメイクをして戻る。
おかりんの車でテレビ局へ行った。

「ねえ。今日声かけてきた奴、共演者だったの？」

楽屋に入った途端に、百が言った。

【うわ･･･】

『･･･聞いたの･･･』
千「さっき戻ってきて、ヤスがメイクする為に席を外した時にね。」

マネージャーめ。

諦めの息を吐いて答えた。

『共演者じゃないよ。監督は気に入ってたみたいだけど、今の段階でドラマには出ないだろうから、しばらく会わないんじゃない？』

「えっ？また会うの？誰！？」

『大丈夫だよ。去るもの追わずだから、放っておいて。』
「そんなの分かんないでしょ！？」
『分かる。』

百と目があった。

『分かるよ。』

もう一度言うと、百は何か言いたげにしていたけど、ポツリと分かったと言って、椅子にそっと座った。

多分、百なら気付いたよね。
去るもの追わずは、トラの基本情報だから。

しっかし、榎本さんが言い寄ってもダメって判断したからトラに変わったのか、トラ自身がただ単に興味持って一回位、声かけてみるかとか思ったのか、トラが私に声をかける日が来るとは思わなかった。

ヤスなら分かる。

近づきすぎ厳禁だけどなぁ。
抱きたい女ランキング辞退したいな。
3回No.1になったから、殿堂入りとかないかな？

おかりんに後で聞く事にした。