笑顔のキミが好き【百】 18 (ページ42)

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予兆　2 ページ42

「それに、日頃から仲良くしてるとさ、スタジオでなんかあった時、顔で分かるんだ。あ、これ、マジでヤバいやつ、とかさ。」

千がアイドル運動部の話をすると、がっくんパパが、何故月雲が百に絡むのか分かるかと聞いてきた。

「知らないよ。いびっても媚びなかったから面白がってるだけじゃない？」

『千葉サロンと運動部が一緒だって勘違いしてるって言いたいんでしょ？』

【でも、それだけじゃないけどね。】

3人が驚いた顔で私を見る。

「目をつけられるには、まだ早いけど･･･。Aが言うならそうなのか。じゃあ八乙女さんの中では龍ちゃんが危ない。」

「運動部を作ったと言ったな。余計な事を･･･！」

「幹事も任せた。龍ちゃん気が利くんだもん！」

「知るか！！･･･ふん、まぁいい。ツクモに以前のような力はない。これを機に、袂を分かってやる。今の八乙女プロ、今のTRIGGERの勢いなら、ツクモと十分、勝負が出来るだろう。」

「今までのツクモと一緒にしたら、痛い目見るよ。了さんはああ見えて頭が切れる人だ。」

【確かに切れる。】

だから、このままいけば後手後手に回る。
特にTRIGGER問題。

先手を打つにはどうすればいいんだろう。

【順序を守れば、変えられる･･･？】

順序･･･

「A、帰るよ。」
『ああ、うん。』

考えてる間に、いつの間にか話は終わっていた。
がっくんパパを向いて言った。

『がっくんパパ、花巻すみれさんには気をつけて。』

「花巻すみれ･･･？ツクモの？」

『あと御堂虎於。龍ちゃんに会わせたでしょ？関わらせないようにして。痛い目見るから。』

「御堂･･･」

がっくんパパが目を大きく見開いている。
何で知ってると言いたげだけど、先手を打つには、TRIGGERや八乙女事務所が警戒してくれないと守れない。

「A？誰それ。」
「･･････Aの言うとおりにした方がいいよ。じゃあ今度こそ帰るね。」

百がポンと私の肩に手を置いて、そのまま社長室を出た。
廊下を歩く。

「花巻すみれって、売り出し中の女性シンガーだよね。御堂って誰。」

千の言葉に頷いてから答えた。

『御曹司？龍ちゃんの売り出しイメージと一緒だから、龍ちゃんと会わせたらしいよ。そうちゃんとも知り合いみたいだし。』
「･･････加えて、デビュー予定？」

百が左手で顎に触りながら私を見る。

1冊目の日記帳に、ZOOLのメンバーの名前と略歴は書いてたな。

百を見て、コクンと頷いた。