笑顔のキミが好き【if･･･大神万理】2 (ページ27)

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「･･･慣れなくていいよ。･･････ただ、Aは、俺とキスするとか、抱き締めあうとかは無理？嫌だとか考えられないとか思う？」

万が私の隣にしゃがんだ。
チラッと万を見ると、少し悲しそうに眉を下げている。

『あの･･･嫌じゃないの。ドキドキしすぎて、いっぱい、いっぱい･･･』

「うん。俺もドキドキするよ。」
『え？嘘だ。』
「え？何で。」
『だってさっきキスした後、何でもない顔してたもん！』
「ええ！？」

ツーンと万から顔を背ける。
万が私の手を取って、万の胸にあてた。

「ほら。一緒にいるだけで結構早いだろ。」

『ほ、ほらじゃない！離して！』
「え？手を繋ぐのも駄目なの？」
『違･･･っわ、分かんないもん！自分の方が･･･』

自分の方がドキドキしてる気がする。

万がムスッとして、私の後頭部を万の方に引き寄せる。
とっさにギュッと目を瞑った。

トンと万の胸に、私の耳があたる。
離そうにも離してくれない。

『ば･･･っ』
「･･･ちゃんと聞いて。俺の心臓の音。」

抵抗するのを止めて、自分の心臓の音の方が絶対早い！と思いながら、泣きそうになるのを目をギュッと閉じた。

次第にドキドキの音が、二重になってる気がして耳を澄ます。

【･･･万の匂いだ･･･】

さっき歩いてる時に引き寄せられた時には、恥ずかしい気持ちが先行してそれどころじゃなかった。

何か久しぶり。
懐かしさもある。

･･････うん。好き。

自分の心臓の音と、万の心臓の音が重なって、同じ様にドキドキしてるんだと分かる。

【嬉しい･･･】

ああ、よく抱きついたことあったのにな。
意識するとダメだ。

「･･････大丈夫？」

『･･･うん。大丈夫。』

抱き締められたまま、答える。
ドキドキするけど、安心するんだとわかった。

体を離そうとすると、万も腕を緩めてくれる。

「俺、キスしたあと普通に見えたんだろうけどさ、嬉しい気持ちが先行して、ニヤケる顔を見られたくなかったんだよね。」

『え？』

「付き合いが元々長いから、結構色んな顔をお互いに知ってるけどさ。彼氏彼女じゃないと知りえない表情ってあるでしょ？それを見られるのって、俺でも恥ずかしいと思うよ。」

万が言って照れたように笑う。
胸が熱くなった。

『うん。』

「でも見たい。Aが、俺にしか見せない表情、沢山見たいと思うよ。もっと知りたい。」

『えと･･･うん。』

やっぱり恥ずかしくて俯く。