笑顔のキミが好き【if･･･大神万理】2 (ページ19)

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1　（彼氏彼女編）ページ19

「じゃあ帰るよ。戸締まりちゃんとして寝ろよ。」

万が立ち上がりながら言う。
もう結構遅い。
私も立ちながら言った。

『もう遅いから泊まって行く？』
「は？」

万の口が、開いたまま固まった。

『･･･ん？』

首を傾げる。

何か変？

「お前、何言ってるか分かってる？」

『え？分かってるよ？泊まる？って聞いてる。』
「いや、分かってない。･･･そうだ、言いたかった事あるんだ。Aさ、何でソファーベット２つあるの？」

『ん？百と千用。』

キョトンとして言うと、万が、頭痛がする･･･と言いながら片手で両方のコメカミを押している。
かと思えば、いい笑顔で言った。

「百くんの誕生日に毎年泊まりって、危機感ないよね？」

『あ、よく知ってるね。おじさんから聞いた？え？危機感？』

この時点で、万の笑顔が怒ってる事からくるものに気づいた。
すごまれている。

「しかも百くんも千も、Aの事、女として見てるの分かってるよね？」
『あ、いや、百はまだ、最近･･･』
「何もされてないのが奇跡に近いことだと思えよ？」

既に鬼の形相で頭を両手拳でグリグリされる。

痛い痛い。

『いや、だって、毎年恒例･･･』
「知るか。いくらでも手を出そうと思えば出せるんだぞ。特に千！」

【ああ。あったな。３人で映画の時のお泊まりとか。】

逐一触ろうとしてきたりとか。
キスしようとしてきたなんて日常茶飯事。
全部よくかわしてるな私。

「その顔･･･」
『え？どの顔？』

「A、千はあれでも手加減してAに迫ってるんだから、危機感持てよ。」

【手加減･･･】

「ただでさえ仕事とはいえ奪われたのに･･･」
『え？』
「ああ！いや、じゃあ帰るから。またな。」

万は私の頭を撫でてから帰った。

いつもの日常と変わらない感じ。
クッションを元に戻してお風呂のお湯をいれる。

【私･･･万と付き合うことになったんだよね？】

ていうか、キスした･･･よね？
私の妄想とかじゃないよね？

家のことを淡々とこなしていると、あまりにも普通すぎて一層不安になっていく。
だからと言って、付き合うことになったよね？なんて、わざわざ確認するのも恥ずかしい。

お風呂から上がって歯を磨いてると、スマホがチカチカしてるのに気づいた。
口をすすいでベッドへ行く。

万これから改めてよろしくな。ツアー頑張れ。

【やっぱり普通･･･】

でも、これから改めてよろしくっていう言葉が、大丈夫って言われてる気がした。