笑顔のキミが好き【if･･･大神万理】2 (ページ18)

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万を見ると、嬉しそうに微笑んでる。

『･･････その顔、聞いてる顔じゃないよね？』

「お前な･･･こういう時に言う言葉は、そうじゃないだろ。」

呆れたような表情で私を睨む。

だって改めると恥ずかしい。
ずっと、ほぼ一緒にいた友達だし？
10年来の付き合いだよ？

千ほどじゃないにしても、女に不自由してない人がですよ？
恋愛初心者の私が、ドロドロに溶かされない訳がない。

未知の世界。

【千相手にも、そう思って怖かった事があるけど･･･】

決定的に違うのは、私は、千相手には恋愛感情がない事。
万相手には恋愛感情があること。

「･･･A、付き合うの、怖い？」

いつの間にか俯いていた顔を上げる。

「Aが、彼氏がいた事がないのは知ってるし、千の男の部分に怖さを感じてるのは知ってる。･･････男の部分が見える俺も怖い？」

反射的に首を振った。

『万を怖いって思ったのは、千を怒ってた時とか？それ以外はない。男の部分とか･･･よく分かんないけど･･･だって･･･』
「だって？」

『だって、万、色んな女の人と付き合ってたのも知ってるし、慣れてるから。･･････私じゃ、役不足･･･』

呟くように言うと、万が大きく目を見開いた。

「あははは！」
『ちょっと！何がおかしいの！？』

「あはは！ごめんごめん！かわいい悩みだなー！！」
『かわいくないの！大真面目なの！！』

万は笑ったまま私の手を取って、万の胸に当てた。

「俺、これでも凄い緊張してるんだけど。俺を好きだって言ってくれる、俺が好きになった子が目の前にいて、こんな時間に家に２人きり。」

確かに、凄いドキドキしてるのは分かる。
でも、私も凄いドキドキしてるんだけど。

「大事なのは、付き合った人数なんかじゃないよ。それで別れたなら、結局は乗り越えられなかったモノがあったって事なんだから、慣れるとかじゃない。Aと付き合っていくのに、初めから慣れなんてないよ。AはAだろ？俺にとって他の誰にも当てはまらない部分があるから、好きになったんだから。」

万は、珍しく照れたように“まあ理屈じゃない気持ちだけどさ”と付け足して笑った。

【人数や慣れじゃない･･･】

『役不足じゃない？』
「当然。」
『私でいいの？』
「Aが、いいよ。」
『じゃあ付き合う。』

「じゃあって･･･うん。よろしくな。」

万が笑って私の頭をポンと撫でた。