笑顔のキミが好き【if･･･大神万理】2 (ページ12)

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会えない日が続くと、会いたい気持ちが募る。

【こんなに会いたくなると思わなかった･･･】

だって、万だよ？
いや、好きだって思ったし、紡に妬いちゃうし･･･

そんな想いも誰にも気づかれずに、こけら落としも終わって打ち上げの時に、万に好きな人を聞かれた。

【あんただよ･･･！！】

なんて言えるわけない。
百や千も話題に入ってくる中、何故か万がグイグイ聞いてくる。

何！？何で！？

『何なの！？何でそんなに突っかかってくるの？別に誰だっていいでしょ。』

「えーと･･･良くないから聞いてるんだけど？」

【何で良くないの？･･･万は、つむちゃんが好きなんでしょ？】

紡を見る。
おじさんと和気あいあいと話してる。

おじさん･･･

ああ、そうか。
私、おじさんに娘扱いされてたもんね。
･･･妹みたいだもんね。

切ない。

『おじさんみたいに過保護にならなくてもいいんだよ？いくら恩人だからってさ。』

「俺、過保護で聞いてるんじゃないんだけど。」

【え？】

『じゃあ何で。』

「自分で考えてみたら？」
『えぇ？』

【何で？】

過保護じゃないなら、誰のため？
百？ヤマさん？
千･･･は、ないか。

“俺は紡ちゃんじゃないよ。”
“万はマネ子ちゃんじゃないでしょ。”

【まさか･･･いやいや、万だよ？今までの彼女だって知ってるし、私はタイプじゃないんだから有り得ない。】

でもその有り得ない事に、私の方がハマってしまったのは事実だ。

ヤマさんが告白してきた時から、自覚した百への恋じゃない気持ち。
百が告白してきて、まさかと思いながら気づいた万への気持ち。

期待と失望の狭間で、心が揺れていた。

・

IDOLiSH7の結成1周年のお祝いに関する電話があった。
IDOLiSH7の人たちとすれ違う話。
覚えてる。

でも、あの時オーディションの曲弾いたっけ。
懐かしい。

万が料理を作って欲しいというので了承すると、万は電話の向こうで喜んでくれた様だった。
そんな事も嬉しかった。

「Aの手料理、楽しみだな。」

･･･『そこまで期待されても･･･万の料理だって美味しいよ？』

「俺は、Aのが食べたいんだよ。」

【！！】

･･･『･･････万、気持ち悪い。電話切るわ。』

電話を切る。

浮かれたように、私が作った料理を食べたいと言った万。
素直に、楽しみにしててと言えるような性格は持ち合わせていない。

「あれ？ヤス、風邪？大丈夫？顔、真っ赤だよ？」

百の言葉に、ますます体温が上がった。