用意した椅子 2 ページ10
ぎゅうぅぅって力強く抱きしめられて、ちょっと痛い。
そう言うと、少し弱めてくれた。
「A･･････オレのこと呆れた？振ったりする？」
ちょっと弱々しい声で百が言う。
『え？しないよ？百が私を振ることはあっても、私が百を振ることはないと思うけど。』
正直に答えると、百は体を離して、驚いた様な顔をした。
「え？Aがオレを振ることはあっても、オレがAを振ることはないと思うけど？」
『じゃあ別に、そのままで良いんじゃない？』
「だってユキが･･･」
千？
『ああ･･････見限る。』
途端に百が泣きそうな顔をした。
『後は、百が用意した椅子に千はいない、ってね。』
「A、いじわる･･･」
『最初からずっと、そうだったでしょ？百は、千や私に黙って、裏でいっぱいやってきたよね。千が喜ばないって分かってて、無理してきたでしょ？』
「容赦ない･･････」
百が苦笑いした。
それでも構わず続けた。
『だから、私とたくさんケンカしたよね。私は見つけた部分しか百に言ってないけど、他にも知ってるよ。それを千がツクモ関係だけ、気づいただけ。』
「でも･･･」
『でもじゃない。言うなら、そういうの分かってても百と付き合ってるの、私。それを忘れないで。･･････大丈夫だから。百が私たちを大事にしてくれてるのは知ってる。後は、百にも自分自身を大事にして欲しいだけだよ。体だけじゃなくて、心もね。』
百がまた、ぎゅうぅぅって抱きしめてくる。
「うん。･･････ちゃんと、考える。」
『うん。千も反省してるから。』
「本当？」
『未来を知る私が、こういう時に単なる慰めのための言葉を言うとでも？』
百が私の顔を見て、プハッと笑った。
「言わなさそう。慰めのためなら躊躇しそうだなー。」
『でしょ？』
実際、躊躇したもんな。
陸の体が大丈夫じゃない時、大丈夫だよって言えなかった。
「そういう所も好き。」
『あはは。ありがとう。』
「本当だよ。」
百が私の頬に手を添えた。
『･･････うん。』
ゆっくり近づく百と目があって、微笑み合って、そっと目を閉じた。
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ミズ ミズ(プロフ) - エレノアさん» if･･･九条天、公開しました！のんびり更新で申し訳ないですが、良ければどうぞ＾＾ (2019年8月1日 1時) (
レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
エレノア(プロフ) - ミズ ミズさん» 分かりました！気長にお待ちしております((｡´･ω･)｡´_ _))ﾍﾟｺﾘﾝ (2019年7月22日 3時) (レス) id: 3eb5819514 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - エレノアさん» ありがとうございます＾＾どれかキリがついたら出そうと思います！ (2019年7月17日 3時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
エレノア(プロフ) - ミズ ミズさん» 出来るんですか！？凄く嬉しいです！幾らでも待ちます！ (2019年7月14日 13時) (レス) id: 3eb5819514 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - エレノアさん» エレノアさん、天くんsideは作成出来そうです。ただ、もう少し練った上で公開させて頂いてもよろしいでしょうか？ (2019年7月12日 0時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2019年6月22日 8時
