先約の相手 6 ページ18
「俺は、これから振られるんだから放っておけって言った。」
【･･･ん？】
振られる？
『え？何でそんな話に？』
ヤマさんが私の向かいに座る。
「あのさ、寮を出て千さんの家に泊まってた時、千さんに言われたんだ。･･･少なくともAに関して、自分は頑張ったって。想いは遂げられなかったけど、風化していく感情だと思えるから後悔はないってさ。･･･俺は、後悔しないのかって。」
『うん･･･』
「やりたかった一生懸命、A相手にやるには遅すぎたと思ってるよ。だから言おうとした。もし･･･もし俺が、出会った頃からもっとAに対して一生懸命頑張ってたら、何か違ってたか？って。」
ヤマさんが真っ直ぐ私を見た。
ヤマさんは、答えをわかってて言ってるんだろう。
でなきゃ、遅すぎたとか、振られるなんて言わない。
『ううん、変わらないよ。私は初めからずっと百が好きだから。』
「は、容赦ねえな。･･･まあ、だから救われるか。･･･風化すんのかな、俺の気持ちも。」
『私には分からないな。』
「占いは？俺のことだろ？」
『私が関わってる限り分からない。』
「そっか。」
ヤマさんがコーヒーを一口飲む。
穏やかに笑ってる。
振られると思いながら話す顔じゃない。
【そうか･･･気持ちの清算をしたかったのか･･･】
なら、お互いのわだかまりを無くせるようにすればいいんだ。
『ヤマさんの気持ちは気づいてたよ。だから2人にならないようにしていたし、なるべく触らないようにしてた。･･･噂も立ってたし、百が気にするから。』
「ああ。」
『気づいてた？』
「Aが俺から本借りなくなってからだな。友達って言ったのにって苛ついた事もあった。」
『ごめん。』
「うん。･･･まぁ、スッキリしたな。一応さ、ケジメとして話しておきたくて。」
『うん。』
「聞いてくれて、ありがとな。」
『ううん。好きになってくれて、ありがとう。』
「ああ。･･･こんな感情、教えてくれてありがとう。」
ヤマさんと笑う。
きっと、本当の意味での友達になれそうな気がした。
「ああ、そうだ。最初に振られた日にさ、もらったマフラー、今まで使えなかったんだ。冬になったら使ってもいいよな。」
『ああ、うん。あげたんだから使って。きっと似合うよ。』
そう言って笑い合った。
部屋を出ると、皆がヤマさんを心配して慰めようとしている。
いいメンバーだよね。
すぐそこだけど、ヤマさんが送ってくれる事になった。
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ミズ ミズ(プロフ) - エレノアさん» if･･･九条天、公開しました！のんびり更新で申し訳ないですが、良ければどうぞ＾＾ (2019年8月1日 1時) (
レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
エレノア(プロフ) - ミズ ミズさん» 分かりました！気長にお待ちしております((｡´･ω･)｡´_ _))ﾍﾟｺﾘﾝ (2019年7月22日 3時) (レス) id: 3eb5819514 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - エレノアさん» ありがとうございます＾＾どれかキリがついたら出そうと思います！ (2019年7月17日 3時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
エレノア(プロフ) - ミズ ミズさん» 出来るんですか！？凄く嬉しいです！幾らでも待ちます！ (2019年7月14日 13時) (レス) id: 3eb5819514 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - エレノアさん» エレノアさん、天くんsideは作成出来そうです。ただ、もう少し練った上で公開させて頂いてもよろしいでしょうか？ (2019年7月12日 0時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2019年6月22日 8時
