2 ページ3
「千！お前な、人んちで何してんだよ。ちゃんと順番踏んだんだろうな。Aは遊んで簡単に捨てれるような子じゃ･･･」
『万さん！誤解です！』
Aに事の成り行きを説明されて、ホッとした。
驚いた事は他にもあった。
バレンタインと言ってAが渡してきた紙袋を、千が受け取った事だった。
【いつも気持ち悪いって言って、受け取ったり食べたりしない千が？】
この何分間で、千のAに対する警戒度がかなり下がっている。
そもそも、打ち解ければと思っていたけど、ここまで簡単に行くと、拍子抜けもする。
じゃあ後は、俺に対する呼び方だけ変えてほしいな。
ファンでもなさそうだし。
千は、Aの本命が俺だと言い出したけど、そんな好意は欠片も感じさせない。
不思議な子。
それを言うと、いつか話してくれると言ってくれた。
そして呼び捨ての代わりにバレンタインを受け取ると言いたいが、わざと言葉にしない。
その想いが通じて、呼び捨てになった。
3人の距離が縮まったのは本当にそれからで、Aの言動は日に日にフランクになっていく。
【というか、言いすぎる部分が、千が2人に増えたようで疲れる･･･】
他はそんなことはない。
普通に、よくいる良い子。
意外としっかりしているし、最初の2ヶ月は、やっぱり人見知りだったのかと思う。
でも最初の2ヶ月は、大人しい真面目そうって思ってたな。
口を開けば、そんなことはない。
でも、こっちの方がいいと思う。
同じ口を開けばという意味では、千は残念だけど。
千がAに付き合おうと言い始めたのも驚いた。
断るのも驚きではある。
【大体、こいつになびかない女は、いないと思ってたから。】
だから俺は彼女が出来ても、絶対に千には紹介しない。
ホワイトアウトで取られては、たまらない。
･･････A位、なびかない人ならいいんだけど、希少価値が高いからな。
本当に俺にとって、Aはいつだって俺の想像外をいって、未完成な僕らだったり、上京前に俺の父親と話をしたり、百くんの名前を知る前に何故か知っていたり。
千がAに本気になったのも想像外だったけど。
でもAの不思議な所以外は、普段は表情に全部出る素直さがあって。
【口がたまに悪いのは、照れ隠しなんだろうな。】
だから全部が可愛い妹のようだった。
でも俺の彼女は、Aをそう見てくれない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 171人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミズ ミズ(プロフ) - 南雲藍琉さん» キャラ掴み出来てますか？万の口調は千相手と夢主相手だと、ちょいちょい変わるので、ちょっとドキドキですｗ (2019年7月2日 6時) (
レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - 万さんの小説ってだけでだいぶキてます。供給ありがとうございます……。 (2019年7月2日 0時) (レス) id: 95a4309a02 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 麗妃さん» お待たせしました！ありがとうございます！よろしくお願いします！ (2019年6月30日 12時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - あいすさん» 読んでいただきありがとうございます！よろしくお願いします！ (2019年6月30日 12時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
麗妃(プロフ) - 万さんルートありがとうございます！待っていました！！読んできます！！ (2019年6月30日 11時) (レス) id: d59234d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：miz | 作成日時：2019年6月16日 10時
