笑顔のキミが好き【百】 15 (ページ31)

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MVドラマパート撮り　3 ページ31

『あ、やっぱ待って。行かなきゃ行けないところあるんだ。』

言いながらメイクを取る。
おかりんはミラー越しに私を見た。

「朝倉さんですか。」

『さすがおかりん！すぐ済むから。』

「最近、百くんだけでなく、千くんやAさんも暗躍しすぎですよ？１日の中の少ないオフが、オフじゃなくなってるじゃないですか。百くんはお２人に比べればオフがありますけどオフになってませんし。」

『それでも、ちゃんと朝倉さんのスケジュール調べて、向かってくれるおかりん、大好き！』

「はいはい。」

『わー、つれない。』

「ヤスさんがいつも言ってる事ですよ。」

おかりんが深くため息をついた。

朝倉さんとの用事も終わって、またヤスのメイクをしながら、おかりんに連れられて来たのは、展望台の近く。

「撮影は順調だそうです。」

車を降りようとすると、スマホが鳴った。

【･･････ナギ･･･？珍しい･･･】

『はい。もしもし？』

･･･「ハロー！A！今夜、ヤマト、第1回打ち明け話会します！お時間がありましたら、ぜひ！」「やめろぉぉぉぉぉ！Aは！！」

【･･････。】

『ぶふ･･･っ』
「あ･･･ヤスさんメイク･･･」

『あははははは･･･っ』

笑いが止まらない。
ヤマさんとナギの状況が、手に取るように分かるから。

･･･「ホワッツ？A？」

『あははは･･･っ、わ、分かった。行く。』

･･･「OK。お待ちしています！」

時間を聞いて、電話を切っても可笑しくて。

【涙が出る･･･】

笑いが止まってメイクを直してから展望台近くへ行った。

『お疲れ様です。』
「お疲れ様です！」

おかりんと挨拶する。

ヘリポートでの撮影が残ってるらしい。
待避場所でカメラチェック等をするらしく、そこに向かった。

「あーヤス～！おかりーん！」

百が私たちに気づいて駆け寄ってきた。
千も後ろから歩いてくる。

「ナギから電話あった？大和の打ち明け話会！」

『あった。爆笑した。』
「ずっと笑ってて、自分は大丈夫か心配しました。」

「あはは、ユキなんて、わくわくしっぱなしでさ。」

『大和嫌がるよね。』
「だからいいんでしょ。」

ケロッと言う千に思わず、百と２人で苦笑いした。

「ヘリ飛ぶ時間です！」

スタッフの声がする。

百が黒いコートを上から着て、千もジャケットを羽織る。

【わ、そのまんまだ。】

百と、ふと目があって、百が柔らかく微笑んで、ポンと私の肩を叩いた。